事業仕分けの仕掛け人、現場の風を官に吹かせた--加藤秀樹・行政刷新会議事務局長

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 加藤によれば、政治家は本来、「人の幸せとは何か」を堂々と語らなければならない。その幸せを実現するために、世の中の仕組み、その仕組みを動かす部品である政策はどうあるべきかを考える。だが、「部品である政策ばかりを議論しても世の中はよくならない」。

目先の政策ではなく、「もっと基本的な、人の幸せとは何か、それを実現できる国のあり方を考える場」が、幹塾の位置づけである。

目下、進行中の事業仕分け第2弾も、原点に据えるのは同じ視点。運営費などに国家予算が流れ込む独立行政法人、公益法人にメスを入れる。「独法、公益法人ともに事業仕分けの重要な要素である現場目線で、公開でやる。また、そういう手法を(恒常的な)仕組みとして行政に定着させたい」。

事業仕分けをきっかけに、民間でも「うちの会社でも事業仕分けをやったら」という声が上がっている。加藤は代表を務める東京財団でも、すでに議論している。「会社のあり方、個人の働き方、コーポレートガバナンス、金融機関の役割など民間の活動はどうあるべきか」。

加藤の眼の前には、次から次、新しい“舞台”がせり上がってくるようである。=敬称略=

かとう・ひでき
加藤の足跡は、政治家でも官僚でもない立場から政治、行政のありようを問い続け、実践してきたことだ。人と人をつなぎ、現場に足を運び、メディアに働きかけて、法律や役所の事業に見直しを促す。行動の軸を突き詰めると「幸せとは何かみたいな話」。「世の中の形、政治はどうあるべきか」を根元から考え続ける。

(撮影:今井康一 週刊東洋経済2010年05月01日号)

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