「菅首相」にアメリカが妙に期待している理由 バイデン氏が初めて直接会談する外国首脳に
日米のG2にとって最も難しい課題は、韓国を入れた真の三国間安全保障協力を構築することだろう。今のところ、バイデン政権のアプローチは従来通りの、北朝鮮の脅威を利用して日韓を何らかの形で再び機能する関係に戻す、というものだ。
先般行われた安全保障問題担当補佐官の会合はその方向への動きの始まりであり、4月後半の三国間外相会談へとつながっている。しかし、アメリカの当局者たちは、日韓両国の政府間の雰囲気が非常に悪いため、表面的な合意以上のものは期待できないかもしれないと内々には認めている。
安全保障問題を、強制労働者と慰安婦をめぐる歴史認識、および法律に関する対立から分離しようとする試みは、日韓両同盟国に対するアメリカ政府のいらだちを反映したものだ。
問題を深刻化させたことについて韓国にかなりの不満を抱いているが、韓国が最初に譲歩することなしには問題を議論しようともしない菅政権にも不満が募っている。「この問題が解決されることはないだろう」と、バイデン政権に近い元高官は話す。「大きく改善することもありそうになく、むしろ悪化する可能性すらある」。
日本は多国間連携に舵を切りたい
結局のところ、アメリカの専門家筋は、日米関係が発展する動きを歓迎する一方で、日本はアメリカのアジア戦略の中心的な支柱になる準備ができていないのだと警告している。
日本は、クアッドだけでなく、より幅広い多国間構造など、より大きなグループの一部となることを好む傾向がある。インドや韓国にまで拡大できるG7のようなグループは、中国と競争する手段として、日本の多くの政策立案者にとってより理にかなったものなのだ。
日本政府の目指すところは、安全保障と外交を多様化することであり、アメリカとの同盟にすべてを依存させることではない。バイデン大統領のアメリカのパワーとリーダーシップの復活を謳う発言を日本は歓迎するが、その一方で「日本は日米間G2の関係においてもアメリカに頼ることはできないだろう。アメリカが政治的にあまりに気まぐれで不安定だからだ」とショフ氏は指摘している。
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