コロナ4・5波「必ず来る」想定で備えが必要な訳 ワクチン耐性の変異株広がる前に何ができるか

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突然変異の発生率は感染者数に比例する。感染拡大が続けば、ファイザー製のワクチンだけ「無傷」ということは考えにくい。モデルナは、変異株のmRNA配列に合わせたワクチンを開発する意向を示しているが、そのような手法で生産されるワクチンが世界に広く供給されるには、数年はかかるだろう。

世界各国がワクチン接種に総力を挙げる理由

どうすればいいのか。残された時間は国によって大きな差がある。中国、台湾、ニュージーランドのように国内にコロナを蔓延させていない国は、従来通りの水際対策を続けながら、じっくりとワクチンを打てばいい。

一方、欧米先進国や日本のようにコロナが蔓延している国には残された時間は少ない。新型コロナが冬と夏に流行を繰り返せば、ワクチン耐性の変異株が容易に誕生するからだ。そうなればワクチンによる集団免疫の効果は期待できない。ワクチン耐性株が広まるまでに、現在入手可能なワクチンを早く行き渡らせて、集団免疫を獲得するしかない。

これが世界各国が総力を挙げてワクチン接種を進めている理由だ。各国の状況を下図に示す。先進国の中で、日本は一人負けだ。「欧米先進国と比べて感染者が少ないのだから、ワクチン接種はそこまで急がなくていい」という有識者もいるが、これは的外れだ。欧米の10分の1以下の感染者数で医療システムが崩壊し、ドイツとほぼ同レベルの経済ダメージを負う日本は、これ以上のコロナの流行に耐えられない。

ここまで日本が迷走したのは、厚生労働省医系技官、感染研の専門家が構成する「感染症ムラ」が主導してきたからだと私は考えている。カネと情報を独占し、日本の有為な人材が活用されなかった。

世界は違う。国家の総力を挙げてコロナ対策に取り組んできた。例えば、mRNAを用いたワクチンを開発したアメリカのモデルナやドイツのビオンテックは、新型コロナ流行前まではがん治療ワクチンを開発するバイオベンチャーだった。遺伝子工学や情報工学の専門家が主導する個別化医療の専門チームだ。海外では、このような「感染症ムラ」以外の有能な人材を活用している。

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