みずほ、システム障害の続発が招いた異常事態 頭取の交代は取り消し、営業改革も着手できず

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3メガバンクの一角でありながらも、収益面でみずほは他の2メガに遅れをとってきた。それは過去の業績を見ても明らかだ。中でもみずほの足を引っ張ってきたのは、他でもない「システム」という存在だった。

みずほは2002年、2011年に大規模な障害を経験。これを繰り返すことのないよう、新勘定系システムへの移行を進めてきた。移行期間中はデジタル化や店舗改革といった構造改革を本格的に進めることができず、他行との差は開くばかりだった。

2019年7月、4000億円以上をかけた新システム移行がようやく完了し、現在は構造改革を本格化するフェーズに入っている。

システム問題で遅れる「改革」

頭取就任が先送りとなった加藤氏が担うのは、まさにその構造改革だった。加藤氏自身も「収益力は十分でない」とし、「営業体制を変えて収益を上げていく」と語っていた。最初の大仕事になるはずだったのが、4月に行われる予定だった店舗と法人営業部隊の改革だ。

4月から頭取として指揮を執るはずだった加藤勝彦氏(左から2番目)。頭取交代が白紙となり、4月から副頭取に。写真は2月19日の頭取交代会見(記者撮影)

店舗については、法人・個人にそれぞれ特化した店舗への再編を進める。みずほの店舗は法人個人双方の取引を取り扱う総合店が過半を占めているが、それぞれに対する専門性を持った人材を配置することで、サービスを向上させようという試みだ。

法人営業では、これまで自動車や電機といった業種ごとに担当が分かれる営業体制が敷かれていた。これを「自動車とテクノロジー」、「情報通信とリテール」など業種をまたいだ5つのグループに再編する。日本企業でも業種を超えたビジネスやM&Aが増加する中、取引先のアプローチのかけ方を変えようとしている。

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