風力発電の設置拡大政策に立ちふさがる高い壁

地域紛争が増加、自然保護など課題が多い

しかしながら、現在は1基3000~4000キロワット、12〜13基で出力が計5万キロワットを超えるウィンドファームといったように、風車は大型化している。もちろん、出力10キロワット、高さ19メートルのチャレナジーの風車だって、マンションなら6階建てくらいまでの高さがあり、それなりの大きさだ。でも、「風力発電導入拡大によって再生可能エネルギー比率をアップする」ことへの貢献は限られるのではないか。

疑問をぶつけてみたところ、水本さんの答えはこうだった。「われわれは、小型で自立分散的な電源の普及が再生可能エネルギーを普及するうえで必要だと思っています。地域の特性にあわせて地域で発電し、地域で使うというのがあるべき姿かなと、思っていまして。われわれの風車は小型ですが環境を一部壊して人工物を建てるということに変わりはない。どのように地域と共生していくのか、というところが鍵です。地域だけで使われるようなエネルギーとか、自分たちが使うエネルギーを自分たちで作るというコンセプト、仕組みを普及させていくことが健全な再エネの普及につながっていくのかな、と思っています」

再生可能エネルギーの普及を通して新しい社会づくりを目指している、ということだろうか。でかいものを作り、量を増やせばよい、と考えるのは、確かに安直かもしれない。

沖縄で試験機の性能を高める作業が続く(写真:チャレナジー)

自治体や専門家から指摘された問題点

風力発電の環境アセス制度緩和をめぐり、環境、経済産業両省が設けた検討会では、自治体や専門家からさまざまな問題点が指摘された。

国の環境アセス法に基づく手続きの件数をみると、風力発電が極めて多い。1999年施行以来、手続きが終了した事業総数は373件で、うち119件が風力発電所。これに続くのは道路85件、火力発電所が71件。手続き中の事業に至っては、総数338件中、風力発電所は302件を占め、道路10件、太陽光発電所8件に比べ圧倒的な多さだ。他の事業種との比較で、バランスを欠くという批判はもっともだ。

一方で、自治体、自然保護団体、研究者などの専門家は、出力5万キロワット以上を法律による環境アセスの対象とする規制緩和案に対し、「それ以下の出力規模の風力発電所が自然環境や地域に悪影響を及ぼすと懸念されているケースが多い」と指摘。実際に環境アセス手続きの中で、厳しい環境大臣意見がついた24件のうち、3割以上にあたる7件は、出力5万キロワット未満だった。

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