中国・電動バイク「小牛電動」、スマート化で快走 2020年の販売台数43%増、直営店網の拡充急ぐ

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小牛電動は電動バイクのスマート化とファッション性を重視し、安物イメージを払拭した(写真は同社ウェブサイトより)

中国の電動バイク大手でアメリカのナスダックに上場する小牛電動(Niuテクノロジーズ)は3月12日、2020年の通期決算を発表した。同年の売上高は前年比17.7%増の24億4400万元(約409億円)と過去最高を記録。一方、純利益は同11%減の1億6900万元(約28億円)だった。

電動バイクの販売好調が大幅増収を牽引した。2020年の販売台数は前年比42.8%増の60万2000台と、過去最高を更新した。

小牛電動は主に直営の実店舗とネット通販で製品を販売している。同社は実店舗のネットワーク拡大を急速に進めており、2020年10~12月期だけで350店をオープン。同年12月末時点の実店舗数は前年比54%増の1616店に達した。

「当社は中国国内の販売ネットワークを引き続き拡充し、地方の中小都市への浸透を図っていく」。小牛電動のCEO(最高経営責任者)を務める李彦氏は、決算説明会でそう述べた。

安物イメージ払拭で若者の心つかむ

2014年創業の小牛電動は中国の電動バイク業界では後発ながら、競合他社よりも高い利益率を誇る。2020年の売上高総利益率は22.9%。これに対し、2001年創業で香港証券取引所に上場する雅迪科技集団は2020年1~6月期の売上高総利益率が18.2%、1999年創業で上海証券取引所に上場する新日電動車は2020年7~9月期が同10.45%にとどまる。

電動バイクはもともと技術面での参入障壁が低く、メーカーが乱立して激しい価格競争を繰り広げてきた。そんななか、小牛電動は商品設計でスマート化とファッション性を重視し、電動バイクの安物イメージを払拭。若者を主要顧客として取り込むことに成功した。

本記事は「財新」の提供記事です

競合他社と比べて、小牛電動の電動バイクのスマート化は抜きん出ている。ほとんどの製品が車体に複数のセンサーを搭載し、ナビゲーション機能や通信機能を備えている。

また、小牛電動のアプリをスマートフォンにインストールして電動バイクとひも付ければ、ユーザーは遠隔操作による施錠や解錠が可能になる。さらに現在位置、走行可能距離、バッテリー残量、過去の走行ルート記録なども確認できる。

(財新記者:方祖望)
※原文の配信は3月13日

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