朝から脳をフル回転させる究極の「ルーティン」 全米トップ脳トレーナーが実践する毎朝の習慣

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それから、利き手と逆の手で歯を磨く。これは、脳に難しいことをさせる訓練のつもりでしている。ふだんと違う脳の部位を刺激できるし、意識を今に引き戻してくれる。利き手でないほうでうまく磨こうとすると、ほかのことができないのだ。

毎朝3つ、自分の目標を書く

それから3分間の運動。本格的なトレーニングではなく、起き抜けに心拍数を上げるのが目的だ。睡眠や体重の管理に役立ち、脳に酸素も送れる。

それが終わると、冷水シャワーを浴びる。「冷水に打たれて1日を始める?」と少々引き気味の人もいるだろう。だが、こうした寒冷療法は神経系のリセットに効果があり、炎症も抑えてくれるので一石二鳥なのだ。

シャワーを出たら、全身に酸素を行きわたらせる呼吸のエクササイズ。それから20分瞑想し、1日を始める前に頭をクリアにする。

次にブレイン・ティーを淹れる。ツボクサ、イチョウ、ヤマブシタケ、MCTオイルなどがブレンドされたハーブティーだ。

そしてデスクに着き、その日最初に考えたことを日記に書く。僕はどんな日も、仕事で3つ、個人で3つの目標をやり遂げることにしているので、それもこのときに決める。

それから30分ほど読書する。1週間に最低1冊読むために、ここは朝のルーチンでもとりわけ守りたい部分だ。

とまあ、読んでのとおり、これをひととおりやるとけっこう時間がかかる。ただ言ったように、毎日全部できるわけではない。無理だと感じる人がいるのもわかるし、自分以外の朝の支度もあればなおさらだろう。けれど、あなたが脳力を高めたくてこの記事を読んでいるなら、多少の差はあれ、この種の朝のルーチンは欠かせないものになる。とくに大事な点を挙げよう。

・水分と酸素を体に行き渡らせる。
・1日の目標を立てる。

最低でもこれだけやれば、脳の回転を上げてハイオクレベルで働かせるのも不可能ではない。1日の始まりに、これらをできるだけたくさん組み込もう。大事なのは、生産的な朝のルーチンを築くこと。1日のいいスタートを切れるかどうかがその日全体の調子を左右することは、いくら強調しても強調し足りないくらいだ。

ジム・クウィック ブレインコーチ

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Jim Kwik

記憶力の改善、脳の最適化、加速学習の分野で知られる世界的エキスパート。幼少期に負った脳損傷により学習困難に悩まされるも、脳のパフォーマンスを劇的に高める手法を開発。以来、人々の真の能力と脳力を引き出す手伝いに人生を捧げている。脳コーチング歴20年以上。学生、高齢者、起業家、教育者から、ハリウッドの大物、プロスポーツ選手、政治主導者、ビジネス界の重鎮、法人顧客(グーグル、ヴァージン・グループ、ナイキ、ザッポス・ドットコム、スペースX、ゼネラル・エレクトリック、20世紀フォックスほか)、国際連合、カリフォルニア工科大学、ハーバード大学、シンギュラリティ・ユニバーシティなどの機関まで実績は多岐にわたる

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