パソコンが復活? インテルが考える「新機能」 年末に次世代技術リアルセンスを投入

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 ――つまり、インテルはPCの定義を変えようとしている。

その通りで、PCの世界をがらりと変えるために大型投資をしている。すでに3年半以上の開発期間をかけている。

非常にチャレンジングなプロジェクトだったので、当時の上司だったポール・オッテリーニCEO(当時)に相談するとき、「いい知らせと悪い知らせがある。悪い知らせは非常に複雑。いい知らせは非常に複雑だから、競合が追いつくのが大変」と言ったことがあるほどだ。

今後、キーボードを使ったPCとのやりとりは音声に変わってくるだろう。過去5年間でキーボードがタッチパネルに変わったように、タッチパネルが音声や、自然なジェスチャーへと移行していく。自分の手をPCの前にかざすと、キーボードを使わずに画面の中のキャラクターをジェスチャーで操ることができるようになる。

 PC買い換えサイクルを短く

――リアルセンスはどうやって収益を上げていくのか。

搭載PCはパートナー企業が今年の年末から出荷し始め、15年1~3月期から量産する。今のPCの買い換えサイクルはモバイルで5年強、デスクトップで6年強になっている。日本市場も含めてユーザーは金銭的に余裕がなくなっているわけではなく、特に欲しいと思わないからだ。消費者に欲しいと思ってもらう、思わせるようなものを作る必要がある。欲しいと思ってもらえたら買い換えサイクルが短くなり、市場規模も大きくなる。それこそがわれわれのビジネスモデルだ。 

――出荷目標は。

目標はあるが、ここでは話せない。ただし03年にインテルがモバイルPC向けに無線LAN対応の半導体「Centrino(セントリーノ)」を出したとき、「誰もがWi-Fiを使うようになる」と言ったらみんなに笑われた。でも4、5年後、誰もがWi-Fiを使うようになっている。このときと同じことを私たちは目指している。数年後には3DカメラがどのノートPCにも付いていて、それが当たり前の生活になっていてほしい。

(撮影:尾形文繁)

前田 佳子 東洋経済 記者

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まえだ よしこ / Yoshiko Maeda

会社四季報センター記者

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