「再エネ電気を買いたい人」に届く驚きの仕掛け お金の送金と同じ理屈を使った電力取引の正体

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RE100の加盟企業数は、2021年2月現在、世界で280社以上。日本企業は50社になった。リコーが2017年4月に加盟したのが最初だが、日本企業は最近急増し、存在感を発揮している。背景には、環境(Ecology)、社会(Society)、ガバナンス(Governance=企業統治)の3つに着目して、年金機構などの機関投資家などが投資先を決めたり、逆に投資を引き揚げたりする「ESG投資」の広がりがある。加盟企業になれば、環境や社会に配慮した取り組みをアピールできるメリットもある。

丸井グループは2018年7月にRE100に加盟。その後、みんな電力の電力トレーサビリティ構築のための実証実験に協力した。現在は、各店舗で使う電気をみんな電力から買っているだけでなく、自社のクレジットカードを持つ個人客を対象に、みんな電力への切り替えを勧めている。各店舗では、みんな電力について知ってもらう説明会を随時開いている。

(外部配信先ではグラフや写真を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

ほかの電力小売りも利用できるよう拡充・発展目指す

みんな電力は昨年12月、環境省から二酸化炭素の排出削減で実績を上げた新たな取り組みについての表彰を受けた。「アワード型イノベーション発掘・社会実装加速化枠」での受賞で、環境省が2021年度から本格化させるイノベーション表彰制度の初代受賞者となった。

電力トレーサビリティシステムの開発が評価された形だが、みんな電力はさらにこのシステムを拡充発展させ、自社だけではなく、ほかの電力小売事業者も利用できるプラットフォームを作るという。

どういうことか。担当の三宅成也専務取締役は「全国で再生可能エネルギーによる発電所、分散型電源が増えています。分散型電源はバラバラだし、いつどのくらい発電するかもさまざま。そこでこれらをまとめたり、発電予測を行ったり、調整したりする機能が必要になってきます。そこで、トレーサビリティシステムの延長上に、プラットフォームを作れないかと作業中です」と言う。

言ってみれば1つの大きなパワープールを作り、さまざまなプレーヤー、電気を買う人、売る人、小売事業者も利用できるソフトウェアを開発しようとしている。

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