ヤフーが描く、女子向け新戦略の青写真 「Yahoo!ビューティ」は7月からこう変わる

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

女性向けコンテンツ全般の総プロデューサーとして白羽の矢が立ったのは、現アプリ開発室長の松本龍祐氏。今後はTRILL社長を兼務し、アプリだけでなく、PCサイトやスマホサイトも含めた、女性向けコンテンツを統括することになる。「アプリはアプリ」「ウェブはウェブ」という枠を取り払い、「女性」を軸に柔軟に形態を考えてサービスを開発するようなプロジェクトも、ヤフーとしては画期的だ。

スマホファーストの流れに乗る

松本氏は2006年に受託開発が主力のコミュニティファクトリーを創業。2008年からは『みんなでケンテイ』をはじめとするSNS「mixi(ミクシィ)」向けアプリや、ガラケー(従来型携帯電話)向けのソーシャルゲームを開発してきた。その後、普及し始めていたスマホ向けアプリに舵を切り、プリクラのように写真を加工して共有できるアプリ『DECOPIC(デコピック)』が若い女性の間で大ヒット。プリクラ機に通ったり、女性誌を読んで女性の趣味を研究したりした成果が実を結んだ。

時を同じくして、2012年4月にヤフーでは宮坂学社長が率いる新体制が発足。「スマホファースト」(現在はスマデバ〈スマートデバイス〉ファースト)の合言葉の下、ヤフーはスマホ向けサービスを最優先で強化する戦略に転換した。そのヤフーがデコピックのヒットに着目し、コミュニティファクトリーを2012年9月に子会社化。その後も、松本氏が率いる同社は女性向けを中心に通算で約20個のアプリを生み出し、アプリのダウンロード数は世界累計で4000万を突破した。

画像を拡大
ヤフー初の20代女子中心のチームが女性向けコンテンツの強化を担う(中央は総プロデューサーの松本氏)

松本氏自身は、2013年4月にヤフーに移籍し、当時新設されたばかりのアプリ開発室のトップに就任。ヤフーのスマホアプリのレビューや開発方法の改善などを担ってきた。いくつもの新サービスを作ってきた経験から、ヤフー社内ではアプリに関する“よろず相談所”として、毎週何人もの相談に答えている。

自ら「ゼロから1を作るところが得意」と話す松本氏は、「1個1個コンテンツを作っていって、気づいたらヤフーのサービスを多くの女性が使っているようにしたい」と意気込む。

女性向けネットサービスには、2012年にヤフーと提携したレシピ投稿・検索サイトの「クックパッド」(運営:クックパッド)、化粧品口コミサイト「アットコスメ」(運営:アイスタイル)、掲示板サービス「発言小町」(運営:読売新聞社)など、各ジャンルですでに確固たる地位を築いているものが多い。アプリ開発の第一人者と若い女性が組んだヤフー史上初の女性プロジェクトチームには、これまでにないサービスで女心をつかむことが求められる。

長谷川 愛 東洋経済 記者
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事