ガーナで名誉酋長になった日本人が築いた信頼 チョコの原料カカオ産地を15年にわたって支援
2013年8月には、アセラワディ村に小学校を日本のODAを活用して建設し、備品を寄付して農家の子どもたちに学びの場を提供した。建設のためには厳格な審査があり、申請のための詳細な資料を作り、粘り強く在ガーナ日本大使館に働きかけた成果だ。現在は200名以上の子どもが在籍している。
国連がSDGs(持続可能な開発目標)を採択したのは2015年。土居さんはその10年前からガーナへ足を運び、カカオ産地との交流を続けてきた。今は、SDGs、サステイナブル、といったキーワードが一般的になり、世界中のチョコレート関連企業が、カカオ産地の問題解決に向けた支援を行っている。しかし活動が1度で終わることや、短期間であることも多い。長年、継続してカカオ産地と関わり続けるのは、決して容易ではないからだ。
定年後もガーナで活動を継続
土居さんは、今年の3月に定年を迎えるが、当面は引き続きガーナでの活動を継続したいと考えている。「酋長に定年はありません。できる限り現地へ行って、産地を応援し続けたい」。
明治は、ガーナでの土居さんの取り組みを筆頭に、現在、世界9カ国のカカオ産地へ社員が直接足を運び、カカオ農家の支援を行っている。チョコレートをいつまでも楽しめる未来のために、広く、大きな活動を展開できる大企業への期待は大きい。しかし、継続的な支援活動のために必要なのは、資金、人、技術力だけでなく、双方の顔が見える形での交流や、心が通いあうこと。それによる相互理解や信頼関係が、大切な要素なのだろう。
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