法律に弱い人が修羅場で役に立たない納得理由 最新情報を集め、学び、法務を味方につけよう

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法律雑誌も、1年に1度、総目次くらいは見ておくといい。総目次には、今年どんなトピックが取り扱われたかが網羅される。毎月読むのは現実的ではないが、1年分をざっと眺めてみるこの1回の作業で、自分の仕事に関係する法律の改正や裁判例が見つかるかもしれない。新しい法律の施行が新規事業のヒントになる可能性もある。

次は、法律を勉強する際に、何を優先的に学ぶかであるが、その答えは「民法」(契約法)だ。

どんな複雑なITを使おうと、AIやロボットがビジネスの主役を飾ろうと、最後は人と人との間の権利義務の関係に行き着く。人間がどんなツールを使おうと、社会生活を営むうえでの問題は、最後は必ず民法に帰着するのだ。私自身、クライアントのDX(デジタルトランスフォーメーション)プロジェクトに長く関わっているが、そこで実際に使う法律知識の大宗を占めるのは民法なのである。

テキストは、まずは薄い本で分野の全体感をつかむのがよい。最初の時点で、木を見て森を見ず、にならないことが重要だ。

また、法律は具体的な事例に結び付けながら学習しなければならない。法律はあらゆる事象に対応する普遍的ルールとしての性質上、非常に抽象的に作られている。しかし、学習する際は具体的な事例に結び付けながら帰納的にルールを理解していく必要がある。したがってテキストは、具体的な事例が多く載ったものを選ぶのが望ましい。

「ビジネス実務法務検定試験2級」といった検定試験を利用して勉強するのもいい。時間をかけず短期集中で一気呵成に学習するのがポイントだ。公式テキストは非常によくできている。日々のビジネス実務に生かせる知識がコンパクトにまとまっており、集中して一度勉強すれば長く役立つだろう。

社内の法務部をどう頼るか

仕事をする中で、法律上の問題に直面する機会は少なくない。その際にまず頼る先が、社内の法務部門だ。このとき、ビジネス現場にいる側から何を尋ね、法務部にはどのような仕事をしてもらえばよいか。そのポイントを押さえよう。

法務部の機能は「予防系」と「臨床系」に大別される。予防系とは、事前の法律相談や契約書審査といった、問題発生を未然に防ぐための機能だ。これに対し、臨床系とは、事後対応機能。訴訟対応といった紛争の有利解決機能がこれに該当する。

まずは、予防系について。実は、「この案件、リスクはありますか?」というのは愚問だ。リスクのない施策などない。いってみれば、明日、隕石が降ってくる可能性だってリスクなのだ。この聞き方では、有益な回答は望めない。

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