プリウス/アクアの販売が4年で6割も落ちた訳 ハイブリッドの代表としての役目は終わったか

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「アクアが登場したころは、ハイブリッドが今ほど多くありませんでした。アクアには普通のエンジン車がないので、外観を見ればすぐにハイブリッド車だとわかります。ミニ・プリウスのような感じで、コンパクトカーでもちょっとした優越感を味わえました。一般のお客様に加えて、環境意識を大切にする法人の社用車としても好調に売れました」

今ほどハイブリッドが多くなかった当時、ハイブリッドであることはステータスのひとつだったのだ。しかし、ハイブリッド車のラインナップが増えれば、そのステータス性は低下していく。先の販売店では、こんな話もえた。

「2020年に登場した新型コンパクトカーの『ヤリス』にもハイブリッドがあり、他社では日産『ノートe-POWER』も人気を高めています。2011年デビューのアクアは、設計の新しいヤリスと比べると、衝突被害軽減ブレーキも古いですし、レーダークルーズコントロールもありません。これも売れ行きが伸び悩む理由でしょう」

WLTCモードで35.4~36.0km/Lの燃費となる「ヤリス ハイブリッド」(写真:トヨタ自動車)

マイナーチェンジのたびに安全装備のアップデートは行われてきたが、それでも設計の古さは隠せない。アクアは発売から9年を経過しており、ユーザーが高い関心を寄せる安全装備や運転支援機能に古さが散見されるのは販売上、不利だ。そこに同じトヨタから先進的なヤリスが登場すれば、アクアの売れ行きが下がるのも当然だろう。

全モデル全店扱いになった影響も

販売面では、2020年5月からトヨタの全店が全車を扱う体制に変わった。それまでは東京地区を除くと、例えばヤリス(旧ヴィッツ)は、ネッツトヨタ店だけが販売していた。その一方でプリウスとアクアは、以前から全店扱いだから販売面で有利だった。

ネッツトヨタ店が近所にない、または同店と付き合いのないユーザーが小さなハイブリッド車を求めたときは、全店が扱うアクアを最寄の店舗で購入していた。

プリウスも同様だ。初代プリウスはトヨタ店のみが販売したが、2代目ではトヨペット店が加わり、3代目から全店扱いになって売れ行きを急増させた経緯がある。

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