「プログラミング教室」に通っても稼げない理由 実践的なスキルを身に付ける簡単な方法とは?

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そして、プログラミングスクールに通う人が勘違いしがちなのは、以下のようなことです。

(1)プロとアマチュアで求められるものは違う
どの業界でも、プロとアマチュアでは求められることが違います。

例えばミュージシャンの場合、プロの現場で求められることとアマチュアバンドで求められることはまったく違います。この違いは現場に入っていないとわからないため、アマチュアがいくら自宅やスタジオで練習し、卓越した技術を身に付けたとしても、プロからは「よく練習しましたね」と評価されるだけで、プロの現場で通用することはありません。もしアマチュアがプロの現場で通用できるようになろうとすると、プロから教えてもらうしかありません。

おそらく、皆さんが勤めている職場でも、同じことがいえると思います。そしてIT業界のSEやPGにも、まったく同じことがあります。

SEやPGが現場で求められることは、最新技術を使いこなすことやコードを暗記することではありません。「決められた納期までに安定して動くものを作る」ことが最優先になります。アマチュアの場合、難しいことができたり知っていたりすると自慢できるので楽しいですが、プロの現場では「納期」「わかりやすい」「安定動作」を求められるのです。

技術と同じくらい大切なコミュニケーション

(2)技術だけでは仕事はできない
プログラミングスクールに通う人の中には、次のようなイメージを強く持っていることが多くあります。

「システムエンジニアやプログラマーって、人と接しなくていいんですよね?」

人と話をすることが苦手だから、コンピューターだけを相手にしていられる職業を選んだという方です。確かに、コンピューターを相手にしている時間は、ほかの職業よりも圧倒的に長いです。最低でも1日8時間、残業があると12時間以上パソコンに向き合うこともあります。

だからといって、人とのコミュニケーションがゼロになるかというと、そんなことはありません。SEやPGという仕事は、コンピューターを相手にしてプログラミングや資料作成をしていますが、手を動かす前には「ミーティング」を行い、メンバーとコミュニケーションを取る必要があります。

また、仕事で大切だと言われる「報告、連絡、相談」も必要です。しかし、こうした地味なスキルの重要性がスクールでは教えられていません。

転職の面談も、独立して仕事を請け負うときも、スムーズにコミュニケーションができないと選ばれる確率はグンと下がります。これは私が会社員時代に面談をしていたのでわかりますし、個人事業主になってから仕事の依頼をいただく場面を経験することからも言えることです。

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