「スーパー金融相場」は今年前半にピーク迎える <株価3万円の先を読む>専門家の見方

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――政府や民間企業の債務がますます膨張して、将来のバブル崩壊が深刻になるとの見方もあります。

国家債務の問題もあるが、私がとくに警戒しているのはクレジット(社債市場)だ。ジャンク債(信用力の低い企業の社債)の発行が世界的に過去最高ペースで急増しており、その平均利回りは過去最低水準となっている。大規模金融緩和が前提だけに、過剰債務の膨張は将来的なリスクとなる。

また、「空箱」とも呼ばれるアメリカのSPAC(特別買収目的会社)乱立についても(バブルの)歴史を繰り返しているような印象が強い。上場時には事業の実体を持たないというSPACがIPO市場の大半を占め、投資家が巨額の資金を投じている現状はなかなか理解しがたい。結局、お金の行き先がないため、魅力的に見えるものを新しく作って資金集めをしているということだ。時価総額が1兆ドルを超えたといわれるビットコインの活況やSNSを通じた個人投資家の投機熱を含め、市場の健全性という観点からいえば、あまりいいことが起きているとは考えていない。

中村 稔 東洋経済 編集委員
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