「31歳の時点で肥満の人」ほど長生きしづらい訳 若いときから「ぽっちゃり体型」の人ほど要注意
死亡率に影響しそうな要因である、喫煙や性別、教育、婚姻状況、病気などを考慮したうえで、BMIが死亡率にどう関係しているかを調べた。すると、どちらの世代においても、標準体重だった人が年齢を追って太り気味(肥満にまではいかない程度)になった場合、最も長生きする可能性が高かったことがわかった。
次に長生きの傾向が見られたのは、ずっと標準体重を維持した人だった。安定して太り気味だった人がこれに続き、ずっとやせ気味だった人という順になった。親世代では、太り気味から体重を減らした人がその後に続いた(子世代にこのグループはない)。
最も長生きしない傾向が見られたのは、31歳の時点で肥満で、歳を追うごとにさらに体重が増えたという2つのグループだった。
子ども世代で肥満が増加
この調査結果は、ジェン准教授らが2013年に行った調査の結果とも合致するという。9500人強を対象に、51歳以降のBMIと死亡リスクの関係を調べたもので、50代から太り気味体型を安定的に維持した人の死亡リスクが最も低かった。
ただしジェン准教授は、今回の調査結果で子ども世代で肥満の増加傾向が見られたことに懸念を示している。子ども世代は親世代と比べ、BMIが高くなる時期が早まっているという。さらに、BMIの高い人の割合も、親世代よりも子世代のほうが多かった。
同准教授によると、医療技術の発展により、肥満でも長生きする可能性は高くなっており、肥満と死亡リスクの関連性は下がっている。
しかし肥満の人が増えているために、肥満が死因となる割合は、親世代の5.4%から子ども世代では6.4%と増えた、とジェン准教授は指摘。若い世代での肥満の増加に警鐘を鳴らしている。
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