「31歳の時点で肥満の人」ほど長生きしづらい訳 若いときから「ぽっちゃり体型」の人ほど要注意
31〜80歳のBMI推移をもとに算出
標準体重よりも太めだと健康に悪いと思いがちだが、このほど発表されたBMIと死亡率の関係を調べた研究によると、大人になってずっと標準体重を維持した人より、標準体重から太めに変わった人のほうが長生きすることが明らかになった。
調査を行ったのは、アメリカ・オハイオ州立大学のフイ・ジェン准教授らのチームだ。調査結果は、疫学の学術誌『アナルズ・オブ・エピデミオロジー』に掲載されている。
調査は、アメリカ・マサチューセッツで行われたフラミンガム心臓研究コホート(同地域在住の人を対象に1948〜2010年に実施された、心疾患に関する追跡調査)の4576人と、その子どもたち3753人(1971〜2014年に追跡調査を実施)の計8329人について、31〜80歳のデータを使って行われた。
フラミンガム心臓研究コホートの対象だった親世代の4576人のうち、3913人はすでに死亡している。そのためジェン准教授は、BMIの推移や肥満が死亡率とどう関係しているかについて、これまでの研究よりさらに正確に推測できるとしている。BMIとは、身長と体重から算出する指数で、成人の肥満度合いを判断する国際的標準指標だ。
研究チームは、対象データから算出したBMIをもとに、やせ気味、標準、太り気味、肥満に大まかにカテゴリー分けをした。BMIが歳を追ってどう変化するかを調べたところ、親世代では7つのグループに分けることができた。子ども世代の場合、親世代に見られた「歳を追うごとに体重が減る人」がそれほどいなかったため、6つのグループになった。