『ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ』--信頼と市場の原理《宿輪純一のシネマ経済学》


 この作品は、非常に経済的、いや市場的な映画である。

本作品の元々の原作は、2005年から『週刊ヤングジャンプ』に連載されている漫画『LIAR GAME』(ライアーゲーム:うそつきのゲーム)。それをフジテレビがテレビドラマ化し、放送した。

テレビドラマは、まず07年に「シーズン1」が土曜日の午後11時10分から新設された枠「土曜ドラマ」で放送された。09年には「シーズン2」が火曜日午後9時のメジャー枠で放送された。そして映画化し、今年『ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ』として公開された。

さて、そのライアーゲームであるが、「エデンの園ゲーム」と呼ばれるリンゴの投票数によるゲーム。本作品では決勝戦で、優勝賞金はなんと50億円(!)。リンゴは3種類あり、それぞれ金、銀、赤。銀と金は「禁断の果実」と呼ばれる。また、進行役はスリラー映画の『ソウ』同様、画面の“仮面”である。

ルールは、全員が赤いリンゴを投票した場合、全員が1億円を得ることができる。しかし、1人でも禁断の果実を選んだ場合、赤いリンゴに投票した人は1億円を失い、禁断の果実を選んだ人は1億円を得る。全員が禁断の果実を選んだら、多数派が1億円を得て、少数派は1億円を失うこととなる。負債が5億円となった場合には「失楽園」送りとなり、退場しなければならない。

つまり、赤いリンゴを全員が投票し続ければ、ゲームは13回あるので、1人当たりの獲得マネーは13億円となる。要は、プレイヤー全員が互いを完全に信頼すれば確実に大金が手に入るのである。突き詰めればテーマは“相手を信じられるか”、すなわち信用の問題である。

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 最新の週刊東洋経済
  • ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?
  • トランプ派メディアの実態
  • 中原圭介の未来予想図
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
好業績の裏で検査不正<br>スズキ「鈴木修経営」の光と影

5月10日の決算会見に登壇し完成検査の不正を詫びたスズキの鈴木修会長。不正は組織的・構造的な問題か、現場への目配り不足によるのか。長年にわたるカリスマ経営の副作用を指摘せざるをえない同社のガバナンス体制を詳解する。