芸能人の事務所独立が止まらない「納得の事情」 フリーになってさらに試される「真価」

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テレビに出演せずとも、ネットやSNSでお金を稼ぐことができる時代に変わってきたことで、所属事務所の手を借りずとも、自らパフォーマンスをプロデュースし、お金を稼ぐことができることも独立の後押しになっているという。

「ネットが普及した現在、ブログやTwitterといったSNSを使って、タレントがファンにメッセージを直接送れるようになりました。つまり、記者会見などをする必要がなくなりますから、仲介する事務所やメディアとの接点も希薄化していく。自分1人でも十分できるじゃないかと考える芸能人が増えても不思議ではない」(同・芸能記者)

実際、先述した手越祐也は、YouTube上で退所に伴う記者会見を生配信し、132万人を超える視聴者がリアルタイムで見届けた。

本当に人から好かれる人は独立しても大丈夫

だが、YouTubeは水もの──そう指摘する声は少なくない。

「宮迫博之さんの動画は、ゲストを招かないと視聴再生数が伸びずに停滞しつつある。TKO木下さんの動画にいたっては、有名人とは思えない惨憺(さんたん)たる再生数です(苦笑)。ネットがあるから安泰ではなく、人気があるからテレビでもネットでも活躍できる」(同・芸能記者)

たしかに、ワタナベエンターテイメントをクビになってからフリーで成功したフワちゃんは、YouTuberを経てテレビでも人気者になった。人気や話題性があれば場所は問わない。反面、なくなれば、茨(いばら)の道が待っていると言えそうだ。

「本当に人から好かれる人は独立してもいいのではないか」と、石川さんはそう付け加える。

「かつて昭和40年代から50年代にかけて、レコード会社の力が衰退して、芸能プロダクションに人材が流出する時代があった。ネットが登場して、芸能界は再び転換の時代を迎えているということでしょう。

転換の中でも人気が衰えなかった人は、人間関係を大事にしている人や、求心力のある魅力的なスターのような人でした。ある意味、フリーになることで、その人の人間性が試されるとも言える。自信だけで独立すると、手痛いしっぺ返しを食らうと思いますね」(石川さん)

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