継続疑義注記の追加記載に至ったペッパーランチの苦境
前09年12月期は、売上高64.19億円(08年12月期比10.2%減)、営業利益1.08億円(同3.1倍)、経常利益9200万円(同18倍)、最終損益が5.77億円の赤字(同4.76億円の赤字)だった。
売り上げ減の主因は、8月に主力業態の「ペッパーランチ」でO−157による食中毒事故が発生したことによるもの。数日間の休業に加え、営業再開以降も長期間客足が遠退いたことが大きく影響した。また、食中毒事故に伴い、加盟店への補償特別損失が4.77億円発生。結果、3期連続の最終赤字となり、会計上の累積赤字は10.53億円まで膨らみ、株主持分比率は08年12月期末の21.8%から、2.4%まで低下した。
今期の店舗数は純増18計画(前期は17)。既存店売上高は前年比6%減にとどまるとの想定だが、足元3月までの累計は約25%減と、想定を大きく割り込む状態が続いている。客数の戻りが緩慢なためで、期を跨いだ現在も”食中毒ショック”によるブランド毀損の影響は完全に払拭されていないと見られる。
コスト面では、原価率50.2%、販管費率47.4%(前期実績は各52.3%、46%)を想定。実額の削減効果は、原価が3.34億円、販管費が9400万円と、大幅な圧縮を目論む。原価では、食材のサプライチェーンネットワークを提供する伊藤忠商事子会社・ユニバーサルフードとの契約を打ち切り、食品メーカーと直接取引を進める。販管費では、給与手当、減価償却費、修繕費、旅費などの費用を削減する。
ただ、こうしたコスト削減も、売上高の低迷が続く中では採算改善効果は薄い。変動費である原価の圧縮幅も、想定以上の売上高の落ちこみにより縮小しているため、利益段階でも、会社計画達成のハードルは高いと「東経オンライン」は見ている。