世界の航空会社、抜き差しならない切迫事情 ワクチンに過剰な期待、需要回復は2022年以降

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WHO報道担当のマーガレット・ハリス氏は、「現時点でワクチンについて分かっているのは、感染した場合に症状が悪化するリスクを極めて効果的に低下させるということだけだと理解してもらいたい」と強調。「感染を止めるかどうかについてはまだ、一切示唆されていない」と述べた。

ワクチン接種の開始にもかかわらず、今後数年間は世界の航空業界が大きく回復するとは見込まれていない(出所:ブルームバーグ)

長距離旅行の再開は2023年か24年から

ワクチンパスポートなど必要としなくても、旅行需要が自ず(おのず)と回復する可能性は確かにある。ワクチン接種で新規感染者や死亡者数が減り始めれば、各国は自主隔離などの国境管理措置を緩和し、航空機搭乗前の検査で十分だと判断するようになるかもしれない。

例えばアラブ首長国連邦(UAE)は入国時に陰性証明の提示を求める以外、入国制限をほぼ撤廃した。英当局は誤解を招く内容だとしてライアンエアーの「ジャブ&ゴー」広告を禁止したものの、同社のマイケル・オリアリー最高経営責任者(CEO)は依然、欧州のほぼ全人口が9月末までに接種を受けると見込む。「その時点でわれわれは制限から解放される」とし、「短距離の旅行は力強く急速に回復するだろう」と語った。

米ニューヨークのJFK空港国際線ターミナル(1月25日)写真家:スペンサープラット/ゲッティイメージズ

だが今のところ、大半の国は外国から旅行者を迎え入れることに及び腰で、少しでも問題があれば制限を強化する方向だ。アルトン・エビエーション・コンサルタンシーのディレクター、ジョシュア・ング氏は、航空旅客が回復するのは「恐らく2022年だろう」とし、長距離旅行の再開は2023年か24年までないと予測した。国際航空運送協会(IATA)は3日、最悪のシナリオで今年の航空旅客数は13%しか改善しないとの見通しを示した。

原題:Brace Yourself: Long-Haul Travel Might Not Start Until 2023 (1)(抜粋)

著者:Angus Whitley、Jason Gale、Tara Patel、Christopher Jasper

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