小型車セグメントでのプレゼンス向上などさまざまな効果を期待--ディーター・ツェッチェ 独ダイムラー会長【ルノー日産・ダイムラー提携会見(1)】
2つめの領域ですが、小型エンジンで協力することも双方の理にかなっています。ダイムラーは3気筒と小型の4気筒エンジンも開発生産します。これらのベースとなるのが、ルノー日産のエンジンです。ダイムラーはこれら3気筒エンジンを新型スマートに搭載します。4気筒は次世代メルセデスの小型エントリーモデルに採用されることになります。
このような種類の車の販売台数は限られていることから、ダイムラーが自社で開発生産するのは効率的ではありません。日産ルノーと協力することで、開発コストを抑制し、より短期間での市場投入が可能になり、規模の効果も享受できるでしょう。
とはいえ、商品と同様に、両グループは独自のブランドと製品のアイデンティティは維持します。それぞれのブランドに適した技術パッケージを採用することで、特徴は守られます。
同時に、ブランドアイデンティティに影響しない構成部品の標準化は、大幅なコスト削減をもたらすでしょう。さらに各社のノウハウを持ち寄ることで、燃費とCO2エミッションにおいて、新たなスタンダードを確立します。
3つめは、ダイムラーが日産自動車の「インフィニティ」にガソリンエンジンとディーゼルエンジンを供給します。当社の稼働率はさらに向上するでしょう。インフィニティはわれわれのエンジン技術にアクセスできることになります。
4つめ小型商用車領域では、メルセデスバンに新たなエントリーモデルが加わります。このバンはルノーの技術をベースにしたものです。このバンは商用目的で、フランスにあるルノーのモーブージュ工場で生産します。
さらに、小型商用車のパワートレインを一部共用化します。例えば,
小型ディーゼルエンジンは当社のメルセデス・ベンツ「ヴィト」に搭載されます。新たに仲間入りするエントリーモデルのエンジンで、成熟市場と成長市場の両方で新規顧客を獲得し、台数増を図ります。
中型、およびフルサイズの乗用車と大型エンジンについて、ダイムラーはすでに圧倒的な強みを持っていますが、小型車や小型エンジンに対してもアクションを起こさなくてはならなくなりました。小型ラグジュアリーカーに対する需要が増えています。われわれは、新しいベンツの小型車を低価格帯に投入することで、新規顧客開拓を図ります。小型車セグメントは競争が激しい上に価格志向であることから、適切なコスト構造が求められます。
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