いよいよ「バブル崩壊の瞬間」が近づいてきた 個人投資家の「祭り」が意味するものとは何か

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ロビンフッダーたちは、業績の悪い企業の株式、いわば「くず株」のような株式に対する投資をしていた。その1つが、ゲームストップ株だったのである。業績は低迷、先行きの見通しも薄く、値下がり(低迷)を続けていたが、一連の買いで価格が上昇していた。これに目をつけたヘッジファンドが空売りをして、素人の火遊びを食い物にして儲けようとしていた。

アメリカではよくある話、日本のライブドアブーム彷彿

この状況に対し、ロブンフッダーたちは、彼らがよく使うSNSを利用して、逆襲を呼びかけ、買いを集めて、空売りをしていたヘッジファンドを締め上げ(ショートスクイーズ)た。買い戻しを余儀なくさせ、ヘッジファンドなどに大きな損失を負わせた。この結果、ゲームストップ株は、急騰し、16倍前後にもなった。これを面白がってやっていたのがロビンフッダーたちである。

しかし、取引が急増したことにより、その取引注文を受けていた証券会社ロビンフッドは当局から、何十億ドルもの「供託金」を要求されることになる。これが払えないので、ロビンフッドは資金調達に奔走した。そうこうしているうちに、さらに取引が急増、株価も乱高下、供託金要求額も急増、同社はゲームストップ株などの取引を一時停止したのである。この結果、ヘッジファンドサイドが息を吹き返し、株価は失速。ロビンフッダーたちは、取引停止により損失を被り、ヘッジファンドサイドは破綻を免れたのである。

これに対しては、メディアは「ドナルド・トランプ前大統領による政治の分断に続いて市場も分断されている」「ウォールストリートと大衆投資家の対決だ」などと囃しているが、それは「nothing new」であり、いつも起きていることだ。

また、いまどきの日本の個人投資家たちは「日本では考えられない」などとコメントしているようだ。だが、彼らは経験不足すぎて知らないようだが、2000年代前半、日本で起きた「ライブドアブーム」とは、まさにまったく同じような現象だった。

ネット証券が発達し、1990年代末の金融危機からの経済危機で大混乱するなか、アメリカのネットバブルが日本にも波及した。その後、2001年の世界同時多発テロやエンロン事件などで株式市場全体が暴落するなか、若い個人投資家のネットトレーダーたちが株式に群がり、新興株を中心にネット株バブルを作り上げていた。

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