飲食店18時まで再開したイタリアの「共存生活」

第2波では「感染状況」で20州を3つに色分け

EUは今までのレッドゾーンをさらに強化した「濃い赤のゾーン」を作り、第3波の拡大を防ぐと同時に、経済活動を滞らせないための対策を講じた。濃い赤とは、赤よりもより状況が深刻な「高危険ゾーン」。住民10万人につき500人以上の感染者がいる地域が該当するのだという。本来なら行き来が自由なEU圏内でも、濃い赤に指定された国や地域からの移動には事前のPCR検査と隔離期間を課すというものだ。そして1月27日、欧州連合は域外からの渡航受け入れリストから日本を除外した。日本でブラジル型の変異種が発見されたことなどが理由だ。 

イタリアはいち早くイギリスからの渡航者の入国禁止措置を取った効果があったのか、変異種による爆発的な感染再拡大は今のところ防げている。だがスペイン、ポルトガル、アイルランド、チェコなどの国の大部分、そしてドイツ、フランス、オランダ、スウェーデンなどの国では部分的に「濃い赤ゾーン」に指定されている。

ついに自分も感染!?

イタリアでは当初、ワクチンの接種開始は1月中旬と発表されていた。ところが12月の下旬に急遽、他のEU諸国に足並みをそろえてワクチン接種が始まった。毎日の感染者数、重症者数、検査実施数などのデータに加えて、ワクチン接種者数も発表されるようになった様子は、まるでワクチン摂取状況を世界と競い合っているかのようだ。

イタリアの有力な経済紙『Sole24ore』のオンライン版では、毎日1回摂取、2回接種した人の人数から年齢別、職業別、地域別、製薬会社別のワクチン接種状況がデータ化され発表されている。そのデータによれば、2月5日までに2回ワクチン接種をした人の合計は102万4271人、イタリア国民の1.7%だ。

そんなある日、喉の痛み、頭痛、寒気、そして37.5度の熱が出た。普段であれば、この程度なら寝てれば治る、と放っておくのだが、今、この時期である。翌朝には熱は下がったので自分が重症化する心配はないと思ったが、もし、感染しているけど軽症タイプだったら? 他人に感染させ、死人が出てしまうかもしれない可能性を考え、PCR検査をしようと決めた。

薬局の前には検査用の仮設テントが設置されている(筆者撮影)

最近のイタリアでは、薬局でも簡単に、50ユーロ(約6300円)程度の値段でスピード検査(抗原検査)ができる。ただし精度に若干問題があるというので、ホームドクターに相談することにした。イタリアは国民皆保険制度で、在留外国人でも無料、または低額で医療が受けられる。コロナに関しては、まず症状に疑問を持ったらホームドクターに電話をすることになっているのだが、普段でもとても待たされるのに、こんな軽い症状では相手にしてくれるのだろうか?と疑いつつ電話をしてみると、意外にもすぐに話ができた。症状を説明するとそれはPCR検査を受けるべきと言われ、翌朝の検査ができる病院を予約してくれた。しかも検査は無料だという。ホームドクターの処方なしで、個人的に検査をする検査機関では検査料は90ユーロ(約1万1400円)程度で、24時間後に結果が得られるという。

PCR検査に行くということは、感染疑いのある人がたくさんいるところへ行くのだと気付き、いつも使っている不織布のマスクではなく、たまたま家に1つだけあったN95のマスクを持って出かけた。開場に30分ほど待たされたが、中に入ったらすぐ検査室へ通され、防護服を着た検査技師がすぐに検査をしてくれた。そして「結果はホームドクターから連絡されます」と言われて帰宅した。

検査をしたのは金曜日で、「陰性」と連絡が来たのは月曜日の午後。つまり私は丸3日間自主隔離をしたことになる。10月に同じように検査をした友人は2週間も結果を待たされ、外出できずつらかったと言っていたので、絶望的になっていたのだが、考えてみると、イタリアでは毎日夕方6時ごろに、その日の検査総数と陽性者数が発表される。例えば2月5日のPCR検査実施数は27万507件、うち陽性者は1万4218人、というように。つまり結果は即日で出ているのだ。陽性の結果を3日間も連絡せずにその患者が出歩いてウイルスを撒き散らしたら大問題だから、連絡がないのは陰性に違いないと後で気がついた。便りがないのはよい知らせ、と言うことだ。

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