飲食店18時まで再開したイタリアの「共存生活」

第2波では「感染状況」で20州を3つに色分け

ただし夜間外出規制はずっと続いている。クリスマス頃から、オレンジでもイエローでも、友人宅や親戚宅などは人数を制限して訪ねていいことにはなったが、夜間の外出は22時から翌5時まで禁止されるから、夕食を食べ始めるのが20時ごろと遅い習慣があるイタリア人にとっては、とても窮屈な規制だ。レストランに至っては18時には閉店しなければいけないから、いったい何時に食べ始めればいいんだ、ランチは午前10時ごろ食べないといけないな、なんて冗談がSNSを賑わしていた。

そんな門限ありではあるが、イエローになると同じ州内であれば自分の住む市町村以外へも移動できる。例えばロンバルディア州民であれば、ミラノ市に住んでいない人もミラノへショッピングに行けるようになった。例えれば、イタリアに暮らす前には東京都民だった私が、実家の練馬区ではなくて青山や銀座へショッピングに行っていたのと同じように、イタリアの人もみんなそれぞれの州の中心地に押しかけた。ミラノ、ローマ、フィレンツェ、トリノのショッピング街にあふれる買い物客の姿がニュースで流れた。

「今日は何色?」

クリスマス前の2週間は、まさにそんなふうにイエローゾーンになった各地が買い物客であふれ、感染減少傾向のカーブにあっという間にブレーキがかかった。クリスマスと年末年始に人が集まりパーティーをして、状況がさらに悪化するのを恐れた政府は、年末年始の数日に限り再び全国をレッドゾーンにしてロックダウンを決行。そして1月6日からはまた、感染状況による3色の色分けが再開された。

これを読んだ読者の皆さんは、「じゃあ、結局いまのイタリアは、黄色なの? 赤なの?」と疑問に思われたかもしれない。実はイタリアで暮らす私も、イタリアの人たちも、みんながそう思っている。州によって、週によって、色が変わり、規制の状況が目まぐるしく変わる。「チャオ、今日は何色だっけ?」なんて挨拶を冗談めかしてうさを晴らす、そんな日々を暮らしているのだ。

トリノのグラデニーゴ病院の救急入り口に隣接する仮設のトリアージ室(左)。第1波のときに作られ、以来ずっと使われている(筆者撮影)

そして、イエローになって数日が経った今(一部、オレンジの州やレッドの地域あり)、またオレンジや赤になってしまう前に息抜きをしておこう、そんなあきらめた空気が蔓延している。私自身、別の町に住んでいる友人と今年初めて会って、ひと時の「生」おしゃべりを楽しみ、次はまたいつ会えるかしらね、と言って別れた。

年末に感染が急拡大したドイツ、変異種が見つかったイギリスでの状況はいまだに深刻だ。1月の初旬にイギリスで1日の感染者数が6万人、死者数が800人を超え、ロックダウンに入ったが、1月20日には1日の死者が1800人を記録した。第1波では優等生だったドイツも12月の死者数が、2020年1~11月の累計よりも多かったと報道された。ロックダウンはまだ続いていて、その波は、ヨーロッパの他の国へも徐々に広がりつつある。

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