クラブハウス、日本に突如上陸した謎多き経路 経営者→芸能界→ファンの一般人で数珠つなぎ

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音声SNSアプリ「クラブハウス」が1月下旬から日本で爆発的に拡大。完全招待制なのも相まって、大きな話題を集めている(記者撮影)

「クラブハウス旋風」が止まらない。ツイッターなどSNSのほか、テレビ番組なども連日、このクラブハウスの話題で持ちきりだ。

クラブハウスとはアメリカ発の音声SNSアプリだ。現在はiPhoneやiPadのみの対応で、アンドロイドのスマートフォンでは使えない。ユーザー同士がフォローしあう仕組みを指して「音声版ツイッター」と呼ばれているが、イメージとしては双方向のラジオに近い。

アプリ上には誰でも作ることのできる「ルーム(部屋)」が無数にあり、ユーザーは自由に出入りできる。ただ会話を聞くだけでもよいし、会話に参加することもできる。

録音NG、最初の招待枠は1日で終了

部屋の中に入ると一番上に「スピーカー(話者)」がおり、部屋の運営者になっている「モデレーター」には緑色の印がついている。スピーカーの下には、彼らの会話を聞いている「オーディエンス(聴衆)」がずらりと表示される。オーディエンスの中にいる人が「手を挙げる」ボタンを押し、モデレーターが承認すると会話に参加することができる。

シリコンバレーの日本人起業家・山田俊輔さん(写真内のShunさん)は、クラブハウス上で大物投資家ジェイソン・カラカニスさん(写真内のJasonさん)と出会い、出資が決まった(山田俊輔さん提供)

特徴の1つが、すでに登録しているユーザーに招待されなければ登録できない「完全招待制」になっていることだ。アメリカ本国で提供が始まったのは2020年4月。当初は5000人限定で招待枠が配られ、たった1日で枠が埋まってしまった。

クラブハウスは規約で会話の録音を禁止しており、記録が残らない。ただ「こんな人がこんな話をしていた」という部分的な内容がSNSで共有され、それを見た人に「聞きたい」と思わせる渇望感を生んだ。これは「FOMO(Fear Of Missing Out、情報を逃すことの恐れ)」とも呼ばれる。その後、徐々にユーザーに割り振られる招待枠が増やされ、この1月に日本にもその波がやってきたというわけだ。

リリース当日に登録したユーザーの中には、たった1人日本人がいた。シリコンバレーで起業し、1対1のビデオ会議サービス「Remotehour(リモートアワー)」を手掛ける山田俊輔さんだ。

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