クラブハウス、日本に突如上陸した謎多き経路 経営者→芸能界→ファンの一般人で数珠つなぎ
山田さんはたまたま友人から招待のリンクをもらったという。「当初はシリコンバレーのベンチャーキャピタル(VC)やスタートアップ企業の人ばかりだった」と振り返る。まだ人数が少なかったクラブハウス上で、山田さんは著名な投資家や経営者にサービス開発の相談に乗ってもらうなど、新たなつながりを広げた。
そしてある日、シリコンバレーの大物投資家として知られるジェイソン・カラカニス氏とたまたま同じ部屋に入り、ほかの起業家とともに事業のプレゼンテーションを実施。その後同氏からの出資が決まった。「当時クラブハウスに参加できていたことが一種の(起業家としての)スクリーニングになっていた」(山田さん)。
スタートアップや芸能界に波及
招待枠は登録当初は1人当たり2つ。だがユーザー同士でフォローし合ったり、会話に参加したりすると、招待枠が追加される。サービス開始から半年が経った2020年11月、山田さんは新たに20人分の招待枠を得た。
「招待枠を通して日本のスタートアップの経営者とつながりたい」。そう考えた山田さんは、日本のスタートアップ界隈につながりが多い友人起業家の伝手を頼り、メルカリの山田進太郎CEO(最高経営責任者)や、クラウドファンディングを展開するCAMPFIREの家入一真CEOを招待。その友人はネットショップ構築サービスを手掛けるBASEの鶴岡裕太CEOを招待した。これが12月20日頃のことだ。
そうした著名な経営者の人脈に加え、ツイッターなどで海外のユーザーを探し出して招待してもらった人も現れ、クラブハウスは日本のスタートアップやVCの間で徐々に広がった。
さらにBASEの鶴岡氏が個人的につながりのある田村淳さんや小嶋陽菜さんといった芸能人を招待したことで、芸能界にも波及。好きな芸能人と交流できるかもしれないと考えたファンたちの間でも話題を呼んだ。
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