クラブハウス、日本に突如上陸した謎多き経路 経営者→芸能界→ファンの一般人で数珠つなぎ
アメリカのアプリストア調査会社・アップアニーによれば、日本のアプリストアのダウンロードランキングでは1月24日から急上昇。28日にトップに立ち、以来独走を続けている。招待がなく登録できなくとも、とりあえずダウンロードする人も少なくないとみられる。
「クラブハウスのおかげで寝不足ですよ」。音声配信サービスを手掛けるVoicy(ボイシー)の緒方憲太郎社長はそう話す。自身も音声を軸にしたサービス開発に取り組んでいることから、登録以来さまざまなルームを主催したり、会話を聞いたりしているという。「ひょっとするとツイッターやインスタグラムに匹敵するくらいの存在になる」(緒方社長)。
「次のSNSを逃したくないという空気があった」
「芸能界やスポーツ界には、次に新しいSNSが出てきたらその波を逃したくないという空気があった」と緒方氏は話す。俳優や歌手、お笑い芸人、スポーツ選手など、すでに数十人単位の著名人が参加したとみられる。
コロナ禍でドラマや映画の撮影、コンサートの開催が難しくなり、多くの芸能人がユーチューブなどネット上で稼ぐ取り組みを始めた。その中で、「芸能界がベンチャー界隈と近くなっていたので、クラブハウスの広がりも早かった」(緒方氏)。
あの歌手とお笑い芸人、モデルが話している――。そんなコラボレーションが多いのもクラブハウスの特徴だ。「配信者同士のコラボはYouTube(ユーチューブ)で大きく伸びた。クラブハウスはコラボのオンパレードだ。それに立ち会えないのは怖いというFOMOがこんなにも出てくるのかと驚いている」(緒方氏)。人気の部屋は上限の5000人に達し、ツイッターなどでは「聞きたいのに入れない」という声も聞かれた。
さらに、「新商品の紹介や就職説明会など、企業の利用も増えるだろう。早々に始めたところが優位になる」と緒方氏は指摘する。ただ、「クラブハウスで長時間過ごして疲れている人もいる。1カ月後にユーザーが残っているかどうかがポイント。その時点で人気を維持していれば、今後1年は伸びる可能性がある」(同)。
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