1月に最高値に急伸した新興国株は既に今年のピークに達した可能性がある。モルガン・スタンレーがこう予想した。
アジア新興市場担当のチーフストラテジスト、ジョナサン・ガーナー氏ら同行ストラテジストによると、MSCI新興市場指数がこれ上昇しない理由は8つあるという。同指数は先月オーバーシュートした後にモルガン・スタンレーが以前に設定した2021年末目標の1330を一時下回った。
8つの理由にはMSCI指数と相関関係の強い銅価格の下落や主要4カ国によるバランスシート拡大の落ち着き、リフレ期待の頭打ち、中国の流動性引き締め、ドル相場の安定、利益修正の一服、新興国ファンドやアジア株ファンドへの「楽観的な」資金流入、新興国株に先行する傾向のある韓国株の相対的パフォーマンスが含まれる。
ストラテジストはリポートで「われわれの見立てが正しければ、今後のパフォーマンスの鍵は市場とセクター、銘柄選択だ」と述べ、「市場に関しては、現時点でインドに最も強気で、同国の積極的な予算が見通しをさらに押し上げる」と指摘した。
MSCI新興市場指数は1月に最大10%上昇し、最高値を付けた。新型コロナウイルスのワクチン供給や米国の追加経済対策と米金融当局のハト派姿勢は、新興国株が今年アウトパフォームするのに完璧な状況をもたらすとの楽観論が背景にあった。
原題:Morgan Stanley Says Emerging Stocks May Have Peaked for the Year(抜粋)
著者:Livia Yap
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