ベンツ「Sクラス」8年ぶり全面改良の超絶進化 デジタル世代のラグジュアリーを再定義する

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どれか1種類の認証により、シート、ステアリング、サイドミラーのポジションやコックピットディスプレイの表示スタイル、ペアリングした携帯情報端末やナビゲーションのお気に入り設定などを統合し、読み込むことが可能となった。さらに、助手席や後席左右も、声、もしくはPINコードによる認証が可能で、シートポジションなどを読み込むことができる。

それに加え、世界で初めてAR(Augmented Reality=拡張現実)ナビゲーションを有機ELメディアディスプレイだけでなく、フロントウィンドウに投影するシステムをメーカー純正オプションで設定。

AR(拡張現実)を使用したナビゲーションシステム(写真:メルセデス・ベンツ日本)

従来、目的地を設定して行き先案内をする場合、地図上に進むべき道路がハイライトされるが、新型Sクラスでは、それに加えて車両の前面に広がる現実の景色がナビゲーション画面の一部に映し出され、進むべき道路に矢印が表示される。さらに、フロントウィンドウのヘッドアップディスプレイ上には、進むべき道路が約10m先の景色に矢印が重ねられて見られるようになった。

メーターパネルは、速度計などの表示が立体的に見える、「3Dコックピットディスプレイ」を採用。ドライバー側を向いた2つのカメラでドライバーの視線を追跡する技術により、特殊なメガネを使用せずにドライバーに3D映像を見せることができるのだという。

ディーゼルとガソリン48Vハイブリッドを設定

パワートレインは、ディーゼルとガソリン計2タイプをまずはラインナップ。

「S400d 4MATIC」は、可変タービンジオメトリーを採用する2ステージターボチャージャーを組み合わせた3.0リッター直列6気筒ディーゼルエンジンで、最高出力330PS(243kW)、最大トルク700Nmを発生する。

「S500 4MATIC」は、コンパクトな3.0リッター直列6気筒ガソリンエンジンに「ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)」「48 Vボルト電気システム」などの技術を搭載。エンジン単体で最高出力435PS(320kW)、最大トルク520Nmを発生させ、さらに、最高出力22PS(16kW)、最大トルク250Nmを発生する電気モーター「ISG」を組み合わせる。

「48V電気システム」は、回生ブレーキによる発電を行うことで、容量約1kWhのリチウムイオンバッテリーへの充電が行われるだけでなく、エンジンが低回転時には、その電力を利用して動力補助を行うことで、高い効率性と力強い加速を実現するものだ。

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