「ジムニー」発売2年半を過ぎても絶好調の訳 生産体制を増強し「最大1年」もの納期に対応
スズキ販売店では「グレードや色によってもバラつきがあるが、長いもので納期は1年以上」といわれる時期もあったほど。そのため、新車よりも高い中古車も出回った。
前述のように、今春に湖西工場の生産体制一部改良で生産台数が増加傾向にあるが、ここにきてさらなる納期改善が見込めそうなニュースが入ってきた。
スズキは2021年1月20日、インドのマルチ・スズキ社のグルガオン工場で、海外市場向けジムニー(日本のジムニーシエラに相当)の生産を始めたと発表したのだ。
これまで海外市場向けジムニーの生産も湖西工場で行ってきたが、主に中南米(ブラジル、メキシコを除く)、中東、アフリカ、アジア等に向けて出荷するクルマをインドで製造するというのである。
2019年1月にジムニーの米澤宏之チーフエンジニアに単独インタビューした際、「インドなど海外での生産計画はない」としていたが、国内外で大量のバックオーダーをかかえるという“うれしい悲鳴”の中で、インドでの生産を決断したことになる。
湖西工場ではジムニーとジムニーシエラのほか、「アルト」「スペーシア」「ワゴンR」「ハスラー」を生産しているが、ジムニーはラダーフレーム構造のため溶接などで、ほかのモデルとは生産工程が若干違う。2020年春のジムニー向け生産体制の一部変更は、インドでの生産開始を視野に入れた発想だった可能性がある。
電動化にはどのように対応するのか?
最後に、ジムニーの商品企画上の今後ついて、考えてみたい。なんといっても気になるのは電動化だ。
経済産業省が2020年12月25日に発表した「グリーン成長戦略」では、軽自動車を含めた電動化実現時期を「遅くとも2030年代中頃」と記載したが、2021年1月開会の通常国会で菅総理は施政方針演説の中で「2035年までに新車の電動化100%」と明言した。
ジムニーとジムニーシエラは、2035年までのどの時点で電動化シフトを完了させるのか。それが、5代目登場の条件となるのだろうか。ジムニーの進化を、これからもしっかりと見守っていきたい。
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