「ジムニー」発売2年半を過ぎても絶好調の訳 生産体制を増強し「最大1年」もの納期に対応

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購入動機については、「独自のスタイリングと、本格的な4輪駆動性能に惹かれて購入した」という、ジムニーの商品性に直結する言葉が多いというスズキ調べのデータがある。

たしかに、筆者自身も4代目ジムニーを個人的に購入したが、その動機は「外からの見た目、走行性能、そして独自の世界感を生むインテリア」であり、それが最上位グレードに一部のオプションを装着しても200万円を切るというコストパフォーマンスの高さが、購入への気持ちを後押しした。

「ジムニー」のインストルメントパネルまわり(写真:スズキ)

むろん、降雪地域でのいわゆる生活4駆として、また農林業、道路整備・管理、自治体や警察など、業務や執務上での実務車としての需要が、ジムニー人気を下支えしていることは言うまでもないだろう。

また、市場の変化や社会の変化にも踏み込んで、ジムニーが売れる理由を考えてみると、いくつかのキーワードが浮かび上がる。ひとつは「SUVシフト」だ。

SUVは群雄割拠の時代に

2000年代から2010年代にかけて、欧米や中国でセダンからSUVへの買い替え需要が進み、そうしたトレンドが日本でも広がっていった。

トヨタは、小型SUVの「ライズ」と「ヤリスクロス」、中小型SUV「C-HR」、中型オフロード系SUV「RAV4」、中型上質系SUV「ハリアー」、中大型「ランドクルーザープラド」、そして日本での大型「ランドクルーザー」からなるSUVフルラインアップを形成し、さらに2021年は「カローラクロス」を加える予定だ。

2020年7月にタイで発表し「順次、導入国を拡大する」としている「カローラクロス」(写真:トヨタ自動車)

国内シェア約5割を占めるトヨタのSUVシフトは、市場全体の変化をユーザーに印象付けた。軽自動車市場でも、2代目スズキ「ハスラー」やダイハツ「タフト」といったモデルが、新たなる伸びしろとして注目されている。

輸入車では、メルセデス・ベンツやBMWなど、ドイツ車ブランドでのSUVシフトが進む一方で、FCA(1月16日付でステランティス)傘下のブランドであるジープの販売好調が目立つ。ジープは、コンパクトでカジュアルな「レネゲード」や「コンパス」といったモデルもあるが、その主力となるのは本格的4輪駆動車の「ラングラー」だ。

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