投資信託「人気ランキング」に頼る人が危うい訳 「投資で損する人」がやってしまう3パターン

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ここまでは投資で損しやすい人のパターンを見てきました。それでは逆に、資産形成に最も向いている人は、どんな人でしょうか? それは、意外なことに「ズボラな人」です。

毎日チャートを見て、「何が買いで何が売りか」を考えたりするのは面倒。損切りや利益確定で頭を悩ませたくない。難しい金融知識を勉強したくない。

そんなズボラな人は、「積み立て投資信託」がハマると思います。積み立て投資用のお金を毎月口座からの引き落としにして、買った後はほうっておけばいいので、何もすることはありません。

しかも、積み立て投資では「ドル・コスト平均法」という機能が働き、「長ければ長く続けた分」だけ、後々の利益が急カーブを描いて大きくなる可能性が高くなります。ですから、こまめに売ったり買ったりをする人よりも、面倒だからとつい資産のメンテナンスなどもほったらかしてしまう人のほうが、最終的な利益が大きくなるケースが多いのです。

「投資で成功する人」の特徴

そもそも投資信託は、ファンドマネジャーと呼ばれる投資のプロが、数十社、数百社という選り抜きの銘柄を集めて運用する仕組みです。ファンドマネジャーはさまざまな資産に投資して利益を出すことを目指して工夫しています。そして、皆さんのような個人投資家がその商品を現金化したくなったときは、買ってきた分に応じてお金をもらえるという仕組みです。

簡単にいえば、プロが投資先を選んで投資して、利益を出してくれる。メンテナンスもしてくれる。つまり、プロに丸投げしてほったらかしにしておけるのが「投資信託」なのです。いろいろチャートを見たり、保有銘柄を管理したりするのがめんどうくさい“ズボラさん”にはピッタリの運用法だと思います。

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そのほかに、投資で成功する人の特徴は「コツコツ努力する人」や「未来志向の人」が挙げられます。ズボラな人の対極になりそうですが、地道に努力できる人も、やはり最後はうまくいくのです。

皆さんのなかには、お金儲けではなく、「将来への不安」を払拭したくて投資を始めた、あるいは始めようと考えている方が多いことでしょう。正直に言えば「投資したい」のではなく、きっと「安心していたい」のではないでしょうか。そして私は、その思いに強く共感しています。

将来のためだからと、毎日ハラハラするような投資はやめましょう。一度決めてしまえば、あとは何も考えなくていい、忘れていてもいい。そんな「考えない投資生活」を実現するコツを、ぜひつかんでほしい思っています。

福田 猛 資産形成コンサルタント

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ふくだ たけし / Fukuda Takeshi

1400億円以上を仲介で預かる日本トップの投資アドバイザー集団、ファイナンシャルスタンダード株式会社を率いる創業社長。大手証券会社を経て、2012年に同社を創業。これまでに6000人以上のお金の悩みをサポートしてきた“お金のお医者さん”。大手金融機関に属さない独立系アドバイザー(IFA)として、ファイナンシャルプランと資産運用で個人投資家の味方になれる存在。楽天証券IFAサミットでトップ10に11年連続で表彰される。「正社員型」のIFAとしていま日本でいちばん信頼されているアドバイザーだが、ひとたび帰宅すれば、家族(愛犬はミニチュアダックス)とウイスキーを愛するいたって庶民的な40代男性。

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