投資信託「人気ランキング」に頼る人が危うい訳 「投資で損する人」がやってしまう3パターン

拡大
縮小

同じように、投資信託も売れそうな商品(ファンド)を作ってバンバン売り出します。売れる投資信託として、よく本やセミナーなどで紹介されているのは「テーマ型投資信託」というものです。最近では「5G(ファイブジー)」や「GAFA(ガーファ)」のような、コロナ禍でも業績が堅調な強い会社の株式を集めて運用する投資信託が売れています。

カップヌードルなら売ることを目的に商品を作ってもいいと思いますが、投資信託は「売れる=資産が増える」ではありません。投資信託はずっと持っていて、運用益を増やしていかなければいけないのに、その新商品は来年もあるかどうかわかりません。短命の商品を選び続けていたら、資産は増えていかないでしょう。

当てにならない人気ランキング

損するパターン② 人気ランキングの上位を買う人

正直なところ、私たちのように投資信託をずっと見てきた者からすると、ネットに出ている人気ランキングはまったく当てになりません。そのランキングに並んでいる商品は、「過去」のパフォーマンスがよかったようなものばかりです。本当に大事なのは5年後や10年後に良い結果になるかどうか、なのですが、そういう意味のランキングではないことを覚えておいてください。

ランキング情報はむしろノイズ(雑音)のようなものです。長期運用には役立ちません。こういった人気商品は、毎年のように形を変えて生まれては、消えていっています。私はこれを「羊の皮をかぶった狼」と呼んでいます。近寄ってはいけない狼なのに、見た目は羊の姿をしており、安全・安心に見えるからだまされてしまうのです。

また、もうひとつ大切なことは、人気になっているということは、そもそもその時点でたくさんの人が商品を買っているということ。冷静に考えれば、すでにブームの後追いになっていて、相場よりも高くなっているものを買わされる「高値づかみ」なのだという点を覚えておきましょう。

こういった人気ランキングについ流されて買い続ける人は、うまくいってもプラスマイナスゼロくらいの投資成果で終わるケースが多いでしょう。

損するパターン③ 販売者の言葉を信じすぎる人

最近はネット証券で商品を購入する人が多いでしょうが、もちろん証券会社や銀行の窓口でも投資信託は販売されています。そして、そこの担当者にはノルマで売っている人もいます。もちろん良心的な営業担当者もいますが、本当にその商品がすばらしくて売っているわけではないという可能性も考慮してください。

今まで投資信託を買ってもうまくいかなかった方は、このいずれかに当てはまる人が多いのではないでしょうか。新商品やランキング上位など、わかりやすいもので判断したくなるのは、人間の性。ある意味、仕方ないことだと私も思います。

投資信託は正しく活用すれば大損する商品ではないですし、長く資産運用をしていくために、こんなに適したツールはありません。だから今後は、この3パターンを避けて、上手に得する人になっていきましょう。

次ページ資産形成に向いているのは?
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT