尾崎元規・花王社長--機能性食品からの撤退はない、できれば食用油で再出発

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小


--資生堂やユニ・チャームなど競合他社が海外展開を積極化する中、花王には出遅れ感があります。

アジアや新興国が伸びるという認識は同じです。現在進出しているASEAN圏はもちろん、次は中国以外の未進出のBRICsであることは視野に入っています。中国、ASEAN圏は日本との仕事の一体運営がうまく進んでおり、やっと軌道に乗ってきたところです。

われわれのビジネスは、所得と人口の掛け算。ピラミッドの頂点の1~2割の富裕層だけではなく、いかにミドル層および、その下のボトム層に攻めていけるかが大事です。

新興国ではミドル層でも洗濯機がなく、手洗いの国もあります。先進国で使われている強い商品を持っていっても、そこでは通用しません。現場に入って、消費者ニーズを観察し、どのような技術を使うのか検討する。それもいかに低いコストでやれるのか。花王はP&Gやユニリーバに対しても後発ですが、モノづくりのところで最新技術を組み合わせれば、先発組にできないことができるチャンスも出てきます。

--今後の海外事業の展望は。

今は海外売上率が25~26%。これをまず3割に、その次は5割に引き上げていく。中国は戦略組織を新設してこれまで以上に加速させます。その他の国も調査を続け、いつ、どのカテゴリーで参入していくかを順次決断していきたい。

■花王の業績予想、会社概要はこちら

(聞き手:鈴木雅幸編集長、島田知穂 =週刊東洋経済2010年4月10日号)

おざき・もとき
1972年慶應義塾大学工学部卒業、花王石鹸(現・花王)入社。化粧品事業本部長、ハウスホールド事業本部長を経て、2002年に取締役執行役員。04年6月より現職。日用品、化粧品分野が長くマーケティングに詳しい。

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事