非正規の母が悲鳴上げる「助成金問題」の理不尽 「企業単位でのみ申請可能」が引き起こす大問題

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コロナ禍の中、母親たちが「理不尽」と悲鳴を上げる理由とは?(iStock/kohei_hara)

新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大を受け、2度目の緊急事態宣言が首都圏ほか各地で発令されている。

今回は小・中学校などの一斉休校は求められず、保育園も原則開園となっているが、感染した子どもや職員がいれば学級や保育園ごとに閉鎖する可能性もある。

保育園の場合、東京都世田谷区、目黒区、渋谷区、荒川区などをはじめ自治体ごとの判断で、登園の自粛要請を行っている。保育園児や小学生を子育てしながら働く親にとっては、いつ子どもを預けられなくなり、仕事ができなくなるかわからない状況だ。

そこで子育てしながら働く親にとって再び注目されるのが「小学校休業等対応助成金」だ。

この助成金は約1年前、安倍晋三首相(当時)が小学校等の一斉休校を行うのに際し、小学校や保育園、幼稚園などが臨時休業した場合に、子どもをみるため親が働けなかった時の休業補償として創設された。フリーランスで働く親は個人申請できるが、企業などに勤める場合は事業者が申請する仕組みのため、そこで申請してもらえないケースが相次ぎ、現在に至るまで問題になっている。

ある母が語る「理不尽」

「理不尽なことに負けたくなかった。諦めかけていましたが、声を上げなければ変わらないと強く思い直しました」

首都圏の認可保育園でパート保育士として勤務する佐藤香織さん(仮名、30代)は、2020年4月の緊急事態宣言の際、子どもの休校で休業せざるをえなかった日数分の補償が受けられずにいた。

4月は保育園への登園の自粛要請があったことで登園する園児が減り、必要な保育士数も減ったため、出勤日と在宅ワークの日が交互となった。出勤しなかった分の給与は6割補償された。

園の方針として5月に休むと、その6割の補償がゼロになることを知らされ、香織さんが「出勤したい」と申し出ると「そんなに生活費が厳しいの?」「ほかの先生がどう思うか」と言われた。

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