欧州4カ国がタッグ「夜行列車」路線拡大の勝算 背景に環境問題、成功のカギは「ライバル登場」
今回、オーストリア・ドイツ・スイス・フランスの4社が発表した計画は、すでに成功を収めているオーストリア連邦鉄道の夜行列車ナイトジェットという1社が提供するサービスに、各国の鉄道会社がチケット販売やダイヤ作成で協力するなど、サポート役として乗るというものだ。
これならハード・ソフト両面において、統一したサービスを提供することができるし、乗り入れ先の国も、車両や従業員の確保といった手間をかけずに済む。
そして今後も、夜行列車を乗り入れさせたい国や都市があった場合、まずオーストリア連邦鉄道と運賃や補助金の有無などといった点で話し合い、お互いが合意すれば乗り入れを開始するという流れで進めることができる。もちろん、これはオープンアクセス法が施行されたことで参入が比較的容易となり、実現可能となったことだ。
プラハ市は夜行列車に補助金検討
今回はスイス、ドイツ、フランスがオーストリア連邦鉄道と協力関係を結ぶことに合意したが、そのネットワークは今後、さらに広がりを見せる可能性がある。
ナイトジェットによる運行ではないが、ポーランド、チェコ、ハンガリー、スロヴェニア、クロアチアについては、各国へ向かう夜行列車のチケット販売ですでにオーストリアと協力関係にあり、ナイトジェットの路線図にも組み込まれている。またイタリアは、すでにウィーンとミュンヘンからイタリア各都市へ路線が繋がっており、協力をより深くする可能性もあるだろう。
一方で昨年12月、チェコのプラハ市議会はプラハからヨーロッパ各都市へ夜行列車を運行させるため、年間5000万チェココルナ(約2億4000万円)の補助金を出すことを検討していると報じられた。
主要な行先はフランクフルト、ブリュッセル、パリ、ハンブルク、コペンハーゲン、ミラノ、ヴェネツィア、ローマとされている。これは現在運行中、もしくは将来の運行計画に含まれるナイトジェットの行き先とまったく同じであることから、プラハから途中駅まで単独で運行したのち、そこを通るナイトジェットに連結して各都市との間を結ぶ、と考えるのが自然だ。
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