北朝鮮「第8回党大会」は歴史に残らない大会

軍事面で目新しさなく経済改革は後退・中止も

党大会を終えた金正恩委員長(写真・ロイター)
1月5日から12日まで行われた北朝鮮・朝鮮労働党第8回党大会。軍事強国路線の継続をうたう一方で、それまでの「国家経済発展5カ年戦略」の失敗を金正恩・朝鮮労働党委員長が自ら認める大会となった。今回の党大会開催の真意は何か。ロシア出身の朝鮮半島問題専門家で、韓国・国民大学のアンドレイ・ランコフ教授に話を聞いた。

核・ミサイル開発に目新しさなし

――1週間続けられた党大会で、金正恩委員長は5回ほど報告や演説を行いました。どのような点が重要だったのでしょうか。

実は、今回の党大会では重要なことがあまり見えません。もちろん、世界の北朝鮮ウォッチャーにとっては、軍事・核問題を重視する傾向が強い。でも、今回の党大会ではこの分野で目新しい内容はありませんでした。金委員長が述べたような核やミサイル開発を今後も継続する意思が強いということは、まったく新しいことではありません。北朝鮮が今後も、同じような軍事路線を続けることは以前からわかっていることです。

――経済制裁解除にとってネックになっている「核開発の放棄」もありませんね。

北朝鮮の立場に近い韓国の進歩派(革新派、左派)の中でも、「北朝鮮が核を放棄する」という人が最近は減ってきています。今回の党大会でも、北朝鮮は核を放棄する意志がないことを再確認しました。でも、このことはニュースとして伝えるほどの価値はないですね。

――とはいえ、金委員長はミサイル開発や先端・戦略兵器という言葉をつかって軍事面で具体的なことを言いましたね。これは異例なのではありませんか。

「韓国がF35戦闘機を購入した」といった感じに北朝鮮が韓国を非難しましたが、これは少し意味がある発言です。北朝鮮は当然、米韓関係や日韓関係を破壊しようと努力しています。北朝鮮の長期的な目的は、韓国を東アジアで孤立させ、同時に韓国が最先端の兵器などの装備を入手できないようにすることです。これは北朝鮮にとって、とても合理的な政策です。

今回、この点で韓国を批判したので驚きました。北朝鮮は感情的な怒りを持っているようです。最先端兵器の購入が不満なのでしょう。これこそ、北朝鮮にとって大問題だと考えているのではないでしょうか。

――党大会の内容を見ると、軍事面より経済分野に関する言及がはるかに多かったのですが、実は北朝鮮にとって大問題は経済なのでしょうか。

そうです。最重要課題は経済ですね。党大会での経済関連の発表を聞いて、少し残念に思いました。北朝鮮の指導部は、2012年から始めた市場経済に近づくような経済改革を中止、あるいは後退させようとしているからです。北朝鮮当局は経済について口を開くと、「一心団結、党事業の強化、自力更生」といった何の内容もなく、役にも立たない古いスローガンをオウムのように繰り返しました。

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