SmartNewsが「アメリカの分断」にかける勝負 鈴木CEOが現地で体感した米大統領選のリアル
――選挙時のこうした機能開発は日本でも行っていきますか。
選挙に関するコンテンツや機能の提供は過去の衆議院議員選挙などでも行ってきた。2021年に行われるであろう日本の衆議院選挙でも、良質な情報を提供できるようにしたい。
日本だと社会生活の中で分断を強く意識することはあまりないかもしれないが、水面下で起こりはじめている可能性はある。スマートニュースにどういう機能が必要とされるかを見極めるためには分断の実態を正しく把握するところから始めなければ、と社内で議論している。
――日本ではスマートニュースに対し、「公平性」といった課題解決のイメージより、「クーポン」など日常生活のお役立ちツールというイメージを持っているユーザーが多いように感じます。
日本においても新型コロナウイルス関連情報の提供など、かなり先進的な展開をしているし、選挙も含めて公共性を重視した情報提供も行っている。加えて日本では、クーポンとか生活に密着した機能も提供しており、そのイメージを持つユーザーもいるだろう。
1人のユーザーの中にも、当然いろいろな側面がある。民主主義社会の参加者としての一面もあれば、オトクに買い物をしたいと願う一面も、1日仕事して疲れたから癒やされたいと思う一面もある。そういう多様なニーズにスマートニュースのアプリで応えていきたい。
エンジニアの数は1年半で3倍超に
――2019年の6月に「プレイステーションの父」として知られる久夛良木健氏を社外取締役に迎えるなど、経営体制を強化しました。「グローバル開発体制整備」を目的とした体制強化とのことでしたが、その後の進捗は?
目指していた体制は、かなり形ができてきた。まずリーダーシップをグローバル化することができた。今スマートニュースの開発の責任者はアメリカ・サンフランシスコにいて、そこから日本、アメリカ両方のプロダクトを見ている。エンジニア組織の責任者も一人が日本、一人がアメリカにいて、そこから日米の開発を指揮している。
エンジニアの数は1年半(2019年6月~2020年12月)で3倍以上に増えたが、東京オフィスの新規採用エンジニアは約8割が海外出身者になった。
プロダクトの面でも、日本版アプリで開発した機能をアメリカ版にも実装することや、その逆も増えている。新型コロナ関連の情報のダッシュボード、雨雲レーダーなどの機能は、日本で作ったものを、時間を置かずにアメリカでも展開した。日米が密に連携しているからこそ開発が加速して、利用者に便利な新機能を次々届けられている。
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