【産業天気図・ガラス・土石製品】液晶とアジア需要でガラスの回復顕著、ただセメントは土木不況で需要底割れ

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予想天気
10年4月~9月 10年10月~11年3月

ガラス・土石製品(セメント)の業界景況感は、2010年4月から11年3月まで、終始「曇り」となりそうだ。ただ、セメント業界に限っては民主党政権の土木予算抑制方針を受け、「雨」の厳しい景況感が見込まれる。

日本の2大ガラスメーカーである旭硝子<5201>、日本板硝子<5202>とも国際的に事業展開をしている。両社ともリーマンショック後の世界的な自動車減産、建築資材減産の影響を受けて、製造窯を停止するなどの事態に陥った。だが、減産局面も091~3月期を底に回復基調に入っている。

ただ、「晴れ」に転じない要因として、需要先や地域による回復差がある。中国などアジア需要や、液晶パネル製造用のガラス基板など電子用は回復顕著。特に旭硝子は電子用に強いため、業績の戻りも勢いがある。一方で日本板硝子は、英国ピルキントン社の買収で欧米等先進国の建築・自動車用の比率が高くなったことがアダとなり、業績は低迷が続く。両社とも今後は、建築用設備を太陽電池用に転換するなど、需要の変化に応じた体制転換を進めるとみられる。

一方セメントは、国内出荷量が過去20年で半分になる厳しい環境。リーマンショック後の不況と、民主党政権の「コンクリートから人へ」を主旨とした政策転換がダブルで痛手。09年4200万tと下限といわれた5000万tを下回ったばかりか、10年には4000万t割れも懸念されるような、底が抜けた状況。国内首位の大平洋セメント<5233>は国内生産能力30%削減を打ち出すなど大規模なリストラに踏み切っている。
(内田 通夫)

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