テレビ局はもともと「ターゲット」を想定して番組を供給してきた。
若者向けの音楽番組やバラエティー、子供向けのアニメ、高齢者向けの時代劇……。
高齢者向けの情報番組に反発する年代も、夜には楽しんでいる番組があるだろう。
そして朝の情報番組も「スッキリ」と「モーニングショー」のように一見同じジャンルながらも、それぞれ違うターゲットで競い合ってきた。
それは、あくまで年代や興味の対象といったライフスタイルや興味での「棲み分け」にすぎなかった。
しかしコロナバブルによって、朝の情報番組を見る高齢者と、見ない年代は双方が「理解し合えない」ことが一気に増えてしまった。
従来の「棲み分け」が、今回のコロナバブルによって急速に「分断」へと転化したのである。
アメリカでは大統領選後も、トランプ氏支持者とバイデン氏支持者の間で強い「分断」が起きている。
分断の修復はすぐには難しい
日本のコロナバブルによる「分断」は、それとは性質が異なるが、アメリカの分断は当分の間、修復が難しいであろうことを考えると、事態は容易ではないと考えるべきではないだろうか。
テレビの制作者、とくに「コロナ報道」に関しては、自らが作る番組の内容が視聴者の「分断」を招きかねない、すでに招いているということを強く肝に銘じる必要があるだろう。
私自身、いまも報道情報番組に携わる立場として、必要以上にあおらず、フェアに伝えることを自らに課していきたいと思っている。
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