テレビのコロナ報道「煽りすぎ」招く深刻な分断 高齢者向けに視聴率獲得も「見ない層」は反発

✎ 1〜 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

テレビ局はもともと「ターゲット」を想定して番組を供給してきた。

若者向けの音楽番組やバラエティー、子供向けのアニメ、高齢者向けの時代劇……。

高齢者向けの情報番組に反発する年代も、夜には楽しんでいる番組があるだろう。

そして朝の情報番組も「スッキリ」と「モーニングショー」のように一見同じジャンルながらも、それぞれ違うターゲットで競い合ってきた。

それは、あくまで年代や興味の対象といったライフスタイルや興味での「棲み分け」にすぎなかった。

しかしコロナバブルによって、朝の情報番組を見る高齢者と、見ない年代は双方が「理解し合えない」ことが一気に増えてしまった。

従来の「棲み分け」が、今回のコロナバブルによって急速に「分断」へと転化したのである。

アメリカでは大統領選後も、トランプ氏支持者とバイデン氏支持者の間で強い「分断」が起きている。

分断の修復はすぐには難しい

日本のコロナバブルによる「分断」は、それとは性質が異なるが、アメリカの分断は当分の間、修復が難しいであろうことを考えると、事態は容易ではないと考えるべきではないだろうか。

画像をクリックすると、長期戦の様相を呈してきたコロナ禍の今を追う記事一覧にジャンプします

テレビの制作者、とくに「コロナ報道」に関しては、自らが作る番組の内容が視聴者の「分断」を招きかねない、すでに招いているということを強く肝に銘じる必要があるだろう。

私自身、いまも報道情報番組に携わる立場として、必要以上にあおらず、フェアに伝えることを自らに課していきたいと思っている。

村上 和彦 TVプロデューサー、京都芸術大学客員教授

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

むらかみ かずひこ / Kazuhiko Murakami

1965年生まれ、神奈川県出身。日本テレビ放送網に入社し、スポーツ局に所属。ジャイアンツ担当、野球中継、箱根駅伝などを担当する。その後制作局に移り、「スッキリ」「ヒルナンデス」「ブラックバラエティ」「24時間テレビ」など幅広いジャンルで実績を上げる。2014年、日本テレビを退社し、TVプロデュースの他、執筆、講演会など活動の場を広げている。現担当 : BSフジ「プライムオンラインTODAY」監修演出など。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事