トヨタ「プリウスα」終売、消えゆく人気車種 トヨタの転換、希少な7人乗りHVワゴン消滅へ

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2011年の発売当時、5人乗りはニッケル水素バッテリー仕様で、3列座席の7人乗りはリチウムイオンバッテリーを採用した。リチウムイオンを選択したことによりバッテリー寸法を小型化しながら、車両重量の増加に対して十分な出力を得られるようにしていた。

トヨタ車の中では、リチウムイオンバッテリーの経験をより永く持つ車種でもある。その知見を活かし、プラグインハイブリッド車(PHEV/トヨタはPHVと呼ぶ)へ進化させれば、近年の自然災害の甚大化においても電力供給能力を備えたワゴン車として、活躍できる場面が増えてくる可能性がある。

次世代環境車としてEV走行距離を従来比2倍以上の68.2kmに延ばし、2017年2月にフルモデルチェンジしたプリウスPHV(写真:トヨタ自動車)

現行のプリウスPHVは、前型に比べ大きく性能を進化させた。それをプリウスαで実現すれば、商品性は高まったのではないだろうか。もちろん、モデルチェンジをしてTNGAを採用すれば、あらゆる意味で優れた性能のPHVとなったであろう。現行プリウスPHV発売の折、内山田竹志会長は、「HVの次はPHVだ」と期待を語ったが、プリウスPHVのあとはようやくRAV4PHVを加えたのみで、それも生産台数が追い付かず受注を中断するありさまだ。プリウスαでPHVを実現していれば、消費者のPHVに対する期待をより実感できていたのではないか。
 

HVの成功で後手にまわるトヨタの車両開発

国内においても、電動車両の導入を前倒しする動きが急となり、豊田章男社長は日本自動車工業会会長の立場も含め、雇用の維持などに懸念を示すが、逆に環境問題の深刻化に対するトヨタの姿勢は後手であり、悠長というか鈍感とさえ思える。しかも普及のメドが立たない燃料電池車(FCV)をフルモデルチェンジしておきながら、プリウスαのような身近で将来性を残すHVワゴンのモデルチェンジをせず、生産を終えるという。

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初代プリウスの誕生は、まだ20世紀の1997年であった。初代での苦労は報われ、HVで成功を収めたトヨタだが、その成功に甘んじて本格的電動化で後れをとっている。EVはつくれるというが、つくれることと売れることでは違うことを知らない。気づいていない。そこがEVの難しさだ。

21世紀も20年が過ぎ、それでもなお20世紀の価値観のまま冬眠したかのようだ。プリウスαの生産終了については、なんとも理解不能である。

御堀 直嗣 モータージャーナリスト

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みほり なおつぐ / Naotsugu Mihori

1955年、東京都生まれ。玉川大学工学部卒業。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。

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