さらに詳しく見てみよう。2020年12月1日時点での23区の総人口は、957万5842人で、前年同月と比べ3349人増。このうち日本人は3万8426人増、外国人は3万5077人減少となっている。外国人の転出超過が歴然としている。
23区のうち江戸川区を除く22区で日本人人口が増えているのが実態だ。逆に外国人人口は23区すべてで減少している。詳しくは表をご覧いただきたいが、象徴的なのが新宿区だ。(外部配信先ではグラフや図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)
新宿区全体の人口は4376人減だが、日本人に限ると1733人の増加。それに引き換え、外国人は6109人もの大幅減少である。新宿区には都内で最多の3万7827人の外国人が暮らしている(2021年1月1日時点)。その国籍はなんと127にも及ぶ。まさに人種のるつぼである。
2017年から2020年にかけては外国人人口は4万人を超え、2020年1月時点では4万2598人だった。それが昨年1年間で約11%減ったことになる。外国人住民の上位6位までを占める中国、韓国、ベトナム、ネパール、台湾、ミャンマーの人々の減少幅が大きい。
コロナ感染で露呈した一極集中リスク
東京一極集中と地方創生に関しては、年初に興味深い世論調査結果が発表された。日本世論調査会が昨年11月から12月にかけて行った世論調査だ。それによると、「地方創生は進んでいない・どちらかと言えば進んでいない」が89%に達した。地方創生は安倍前政権の看板政策。世間の評価は「落第点」だった。
一方、「東京一極集中」については、「ある程度」を含め79%が「是正が必要」と回答。一極集中の問題点として「東京と地方の格差拡大や地方の衰退」「地震などの災害による中枢機能マヒ」に回答が集中した。
この懸念は今のコロナ禍で既に証明済みである。東京都の感染者数は日に日に膨れ上がり、1月8日時点では累計で7万人を超え、死者は674人となった。
東京都の新規感染者数が2477人となった7日までの23区別の累計感染者数、10万人当たりの感染者数は前出の表の通り。人口は住民基本台帳ベースの2020年12月1日現在で算出した。
感染者数がもっとも多いのは世田谷区(5300人)だが、10万人当たりで見ると新宿区が1424人と突出している。次いで港区の1091人、渋谷区の995人となっている。逆に10万人当たりの感染者数が最も少ないのはいち早く独自の対策に乗り出した江戸川区で362人。新宿区の約4分の1の水準だ。
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