「86/BRZ」はスポーツカー文化を復権できたか 購入者データで浮かび上がったユーザー心理
トヨタとスバルの共同開発により2012年に生まれたFR(後輪駆動)スポーツカー、トヨタ「86」/スバル「BRZ」。昨年11月にBRZの第2世代モデルがアメリカで先行公開され、アメリカ国内で2021年秋に発売予定であることがアナウンスされた。86の第2世代モデルも、発表秒読みと言われている。
トヨタは86の発表当初「86スポーツカーカルチャー構想」を掲げ、スポーツカー文化の復権を目指した。発売から約9年、その目標は達成されたのだろうか。
86/BRZ購入者の分析を通して、明らかにしていきたい。
データは、市場調査会社のインテージが毎月約70万人から回答を集める、自動車に関する調査「Car-kit®」を使用し、分析対象は新車購入者のみとする。なお、参考としてマツダ「ロードスター」のデータもあわせて抽出した。
<分析対象数>
■トヨタ 86
新車:468名/中古:179名
■スバル BRZ
新車:143名/中古:51名
■マツダ ロードスター
新車:338名/中古:244名
※以降、断りがない限り「新車購入者」を分析対象とする。
購入層は中高年から若者へ
発売当初、250万~300万円程度の価格だった86/BRZは、スポーツカーとしては手頃な価格で、若者へもアピールされた。実際のところ、どんな人がこのクルマを手にしたのか。
年代別では、初期購入者(発売から2015年3月契約までの約3年間)とそれ以降の購入者(2015年4月契約以降)で比較すると、若年層が増えていることが読み取れる。それと同時に、50代以上の割合が減っていることがわかった。
このことから、発売当初は過去にスポーツカーに乗っていた中高年層に注目され、その後、若年層へ波及していった様子がうかがえる。実車を目にして憧れを抱いた若者も多いのかもしれない。このあたりはトヨタ、スバルの思惑通りであろう。
なお、男女比率では男性が圧倒的に高く、86(82%)、BRZ(88%)だった。ロードスターは、84%だ。
次に中古車購入者の年代構成を見てみよう。
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