「86/BRZ」はスポーツカー文化を復権できたか 購入者データで浮かび上がったユーザー心理
中古購入者を見てみると、全期間において20代比率が86(48%)、BRZ(53%)と高い。手頃な価格の中古車を求める若年層を、多く取り込めているといえそうだ。
この層は、年齢を重ね購入予算に余裕が出てきたタイミングで、新たなスポーツカーを購入するポテンシャル層として期待できそうだ。
未既婚の割合を見てみると、若年層が多いことから既婚の割合が少ない。
多人数乗車や多くの荷物を乗せることを得意としないスポーツカーは、やはり独身男性との相性がいいことがデータからも見えてくる。
半数の人が「2台以上」保有
スポーツカーである86/BRZは、使い勝手の点ではハッチバックやミニバンに劣る。保有台数を見てみると、半数以上の人たちが複数所有していることがわかった。参考として比較対象としたオープンモデルのロードスターは、86/BRZよりさらに趣味性が強まるためか、複数台保有の割合は7割近くとさらに高い。
続いて支払い方法についても見てみよう。86/BRZ購入者は、現金一括の割合が低いのが特徴的だ。
新車購入者にしめる現金一括払いの割合は、「Car-kit®」では約6割(全メーカー・全車種での平均値)であるのに対し、86/BRZは約5割と低い。「背伸びしてでも手にしたい」と購入した人が多いのかもしれない。
購入時の検討状況を明らかにするために、最後まで悩み比較したクルマ、「最終比較検討車」を見ていく。
86ユーザーは1割強がBRZと比較しており、同じトヨタの「C-HR」が2位にランクインしている。3位にロードスター、4位にスバル「インプレッサスポーツ」、5位にスズキ「スイフト」というランキングから、トヨタを中心に考えつつも、走りのいい国産車を幅広く検討した人が多いようだ。
BRZユーザーは、実に5割強が86を比較検討している。2~4位はスバル車がしめ、5位がホンダ「S660」となっている。86かBRZかを悩みながら、スバル好きとしてBRZを購入したと考えられる。
なお、ロードスターを見てみると、BRZの比較対象としてもランクインしていたS660が24%とトップであり、86、BRZと続いた。オープンカーを優先しつつも、スポーツカーも検討に挙がっていたようだ。
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