牛乳パックの「なぜ」で伸ばせる子どもの創造力 「考える子」を育てるために大事な3ステップ
「スーパーで売っている牛乳パックには、本当に1000ml入っているのか」という極めて身近な話題が、2000年に日本総合学習学会の講演で紹介され、私も非常に興味を持った。
この学会は、学校教育で2000年に「総合的な学習の時間」が導入されたことがきっかけとなって設立された。「総合的な学習の時間」は、文部科学省の言葉を借りると、変化の激しい社会において自ら課題を見つけ、よりよく問題を解決する能力を育てることを狙いとしている。
牛乳パックの大きさを測ってみると
紹介された話題は、1000ml入り、すなわち容積が1000立方cmであるとうたわれた牛乳パックには、本当に1000立方cmの牛乳が入っているか、という謎である。
牛乳パックの上部の三角形部分の下を直方体と見なし、その周囲の寸法を測った数値が示されていたが、どう測っても、「たて×横×高さ」が1000立方cmより小さくなってしまう。
その講演では、実際に新しい牛乳パックと計量器を用意して、中の牛乳が計量器に流し込まれた。すると、1000mlをほんの少し超えた量が確認されたのである。
その結論は手品でも何でもなく、紙の容器が膨らむ分だけ牛乳が多く入る、ということである。
大人は「なあんだ」と思うかもしれないが、児童たちに体験を通じて容積の概念や現実での応用を学ばせることは、学習に興味を持たせるという点でとても大事なことだ。
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