日立、"名より実を取る"鉄道車両の成長戦略

新幹線の「顔」争奪戦では川崎重工が先行

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E6系の先頭車両の開発はライバルの川崎重工が手掛けた(撮影:梅谷秀司)

2003~2012年の10年間について、日立と川重の新幹線車両製造数を比較してみた。JR東日本とJR西日本では川重の製造数のほうが多く、逆にJR東海とJR九州では日立のほうが多い。

トータルでは、川重の748両に対して、日立は838両と、若干ながら日立のほうが数多く製造している。E6系とE7系の車両製造数については、川重と日立はほぼ同数とみられる。

「車両開発への貢献度合いが、その後の車両製造数に関係してくる」と、別の車両メーカー幹部が明かす。だとすれば、開発面で先頭形状というシンボリックな部分のデザインは川重に譲ったものの、ほかの部分で日立は川重の同程度の貢献をしたことで、川重並みの製造数を確保したといえそうだ。

パッケージ力で海外を攻める

日立の2013年度の鉄道事業売上高は前期比15%増の1682億円。新幹線を含む国内事業の売上高はその65%を占め、依然、売り上げの柱である。

とはいえ、今後の成長エンジンとなるのは海外だ。2016年度には現在35%の海外売上高比率を65%に高め、鉄道事業の売上高を2400億円に増やす計画だ。

車両製造を事業の柱とする川重と異なり、日立の鉄道事業は保守、信号、電気部品製造などのビジネスも手がけている。2012年には英国の列車運行管理システム会社も買収し、翌年には日本メーカーとして初めて欧州列車制御システムの認証を取得した。それゆえ、「顧客にパッケージでプランを提案できる」(ドーマーCEO)という強みを持つ。

このパッケージ力が、海外で威力を発揮している。英国のIEPでは、車両866両の製造に加え、27年半に及ぶ車両保守事業も請け負うなど、ビジネスとしての裾野を広げることにつながった。

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