日本一「スルーされる県」、静岡ご当地鉄道事情 途中駅や私鉄の沿線には見どころがいっぱい

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静岡県内の鉄道の中核といえば、やはりなんといっても東海道新幹線である。これに異論がある人はいないだろう。「いやいや、のぞみは停まらないじゃん!」といったツッコミもあるかもしれない。確かにその通りで、静岡県は「のぞみ」に完全に飛ばされている。

静岡県といったら東海道新幹線。県内を横断する(筆者撮影)

しかし、だからといって県内において新幹線の地位が低いということにはならないし、もちろん不便だということにもならない。例えば、静岡県の県都・静岡市。そのターミナルである静岡駅には、「のぞみ」こそ停まらないものの基本的に「ひかり」が毎時1本しっかり停車するのだ。

東京駅からの所要時間は約1時間。東京駅から中央線快速電車に1時間揺られると、だいたい日野や豊田あたりに着く。お値段の違いがあるから単純に比較はできないが、静岡は東京からも意外と近い。

県内移動にも新幹線が便利

さらに静岡県で最も人口が多い浜松市。こちらも浜松駅には「ひかり」が毎時1本停車する。下りの新幹線でいえば、東京から1時間で静岡に着いて、さらに20分程度で浜松駅だ。在来線で静岡―浜松間を移動すると約1時間15分。新幹線の威力に驚くばかりだが、おかげで静岡―浜松間で新幹線を使う人も少なくないようだ。もちろん在来線よりお金はかかるが、お値段以上、シンカンセン、なのである。

浜松市内には“赤電”として親しまれる私鉄の遠州鉄道も走っている(筆者撮影)

新幹線の威力を目の当たりにすると、どうしてもかすんでしまうのが在来線の東海道線。かつてはブルートレインをはじめ多くの特急が行き交った大動脈だった。しかし、今では静岡県内の東海道線を走る特急列車はほとんどなくなった。

さらに普通列車も東西の熱海・浜松でおおむね運転系統が途切れているから、県をまたいで走る列車は少なめ。貨物列車の往来は盛んだが、やはり大動脈感は薄れている。

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