川崎市「保育園落ちた」子が待機児童の200倍の訳 2015年に「待機児童数ゼロ」達成したものの…

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川崎市の待機児童数が「認可に申し込んで認可を利用できていない児童数」(保留児童数)に占める割合はわずかに0.5%で、調査対象100市区の平均8.0%に比べると極端に小さくなっています。これは、前回の横浜市の場合の0.7%をさらに下回っており、「利用できていない児童数」(保留児童数)の99.5%が待機児童数にカウントされていないという、驚きの数字になっています。

川崎市の「利用できていない児童数」の内訳で特徴的なのは、「地方単独事業を利用している者」の割合が32%と高いことです(100市区平均は18.1%)。その分、「特定の保育園等のみ希望している者」は29.7%で調査対象100市区の平均(44.3%)を下回っています。川崎市では、以前から「おなかま保育室」や「川崎認定保育園」など、認可外保育施設の助成制度(地方単独事業)を複数つくって待機児童対策を行ってきており、それが「地方単独事業を利用している者」の割合を高くしていると思います。

利用者は認可での整備を望んでいるとは思いますが、入れなかったときに市の支援を受ける認可外保育施設で保育を受けられることは助かります。川崎市では、認可の不承諾通知を受け取った家庭に、これらの認可外保育施設を丁寧に案内することも待機児童対策のひとつとして挙げています。同時に、これらの認可外保育施設を認可に移行させて認可の受け皿を増やす待機児童対策にも力を入れています。

10年前の2010年、川崎市は横浜市に次いで待機児童数全国ワースト2の1076人を記録しましたが、5年後の2015年に待機児童数ゼロを達成しました。これを聞いて武蔵小杉に引っ越した保育園を考える親の会会員が区役所で入園の相談をしたところ「入れる見込みはない」旨を伝えられたそうです。「待機児童数ゼロ」には大きな落とし穴があります。

困窮度をより重視する川崎市

認可保育園等への入園申し込みは市区町村別に行われ、定員を上回る園・クラスについては市区町村が選考(利用調整)を行います。選考は保護者の就労状況やその他家庭の状況を点数化し、保育の必要性が高いと判断された児童から優先的に入園が決定します。

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