「国公立大医学部の合格者が多い学校」TOP200校

5年間累計で算出、1位東海、2位灘、3位洛南…

医学部合格者ランキングの特徴は、単年で比較すると合格者が減っている学校が多いことだ。2020年と2019年を比べると、東海(22人減)、灘(9人減)、洛南とラ・サール(各8人減)、開成(22人減)などとなっている。開成以外は2年連続で減少しており、その一因として考えられるのは、トップ校の医学部離れだ。

灘を例にとると、2020年の東京大・理Ⅲの合格者は2019年の21人から14人、京都大・医は26人から24人に減少した。それに対して、東京大・理Ⅰは30人から35人、京都大の工と理の合計は14人から17人に増えている。このように、理工系の志望者が増えているトップ校が多いようだ。

医学部の合格者が減少しているのは、大都市圏の学校に多い。成長産業の情報関連分野など、大都市圏では優秀な受験生の選択の幅が広いことから、厳しい競争を経て医学部に行く必要がない、と考える受験生が一定層いるようだ。

模試では医学部志望が増加

トップ校の医学部離れの影響もあり、医学部の志願者は減り続けている。2020年入試の国公立大医学部の志願者は前年を3325人下回る2万2146人で、志願倍率(志願者数÷募集人員)は6.1倍から5.5倍に下がった。前期日程のみの集計では6年連続の減少となっている。

この影響は、優秀な理系の受験生の受け皿が少なく医学部志向が強い、地方の学校の追い風となった。2020年と2019年の合格者数を比較すると、愛光(9人増)、青雲(31人増)、新潟(17人増)など、地方の学校で合格者が増える傾向にある。また、地域に関係なく、優秀な女子が生涯活かせる資格として医師を目指す傾向が強いこともあり、四天王寺(17人増)など女子校も合格者が増えている学校が多い。

減少傾向の医学部の志願者だが、今後、増加に転じる可能性がある。コロナ禍で過酷な医療現場を目の当たりにした受験生の志望変更により、医学部人気はさらに下がると見られていた。

しかし、大手予備校の模擬試験の状況を見ると、2021年度入試に臨む国公立大医学部志望者は増えているという。医学部志願者の減少が続き、倍率が下がってきたこともあり、医師を目指そうと考える受験生が増えているようなのだ。6年後はコロナ禍が終息しているだろうという期待感もありそうだ。

そうなると気になるのは、理工系シフトが進んで医学部の合格者が減少した学校の合格状況。医学部志望者が戻って、合格者が増加に転じるのだろうか。2021年の国公立大医学部入試の結果を待ちたい。

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